投稿

7月, 2023の投稿を表示しています

歩き方に出る男女の違い

イメージ
 トランスジェンダーの方にとって一番の懸案は、「他人から女性に見えるのか?」ということではないでしょうか。そこで、女性的な仕草を取り入れようとするも、なかなかそうは見られないといって悩むこともしばしば。  それもそのはず、男性的要素を残したまま女性の仕草をしても不自然だからです。そのためには男性的な要素もトレーニングをして、薄くする必要があるのですが、意外とそこに気づいていない方がよくいます。  私は男→女へ性別移行すると決めてもう20年以上生活しており、ホルモン投与のため長年ジェンダークリニックへ通っている中で、複数のトランスジェンダーの方を見てきました。可愛くて上品であるがゆえに思わず振り返りたくなる方もいれば、男性であることがバレバレで発展途上の方も多く見受けられます。  そんな発展途上の方を何人か見てきて、いくつかの共通点を発見しました。その内の一つをご紹介します。 男性的な歩き方の癖が付いたまま  発展途上の方、特に中高年トランスの方によく見られるのが、男性的な歩き方です。歩く時って無意識だし、鏡や動画を通さないと自分で自分の動きを見ることはできないので、自分では気づきにくいです。でも、日常よく見かけるシーンであり、全身を使った動きなので目立ちやすく、結構性差が出やすいのです。 上半身の体の揺れ  一番大きい差が、上半身の揺れです。男性の場合は左右の足をそろえずに歩く人が多く、中高年になるとより顕著になる傾向があるので、足を運ぶ度に体の重心が左右へ行ったり来たりしてしまいます。その結果上半身が左右へ揺れやすく、これが性差として見られやすいのです。  上の図を見ると、男女で左右の足の間隔に違いがあるのがわかります。これは主に、男女の骨盤の形の違いから来ます。女性は出産をする必要上、胎児を支えたり産道を大きく確保するしたりしなければならないため、骨盤上部が外へ開いています。その結果、これに付随する大腿骨の付け根も外側に寄っており、重心のバランスを取るために大腿骨下部を内側に 寄せる体型になっています。  結果、歩く時にも自然と足がそろい、重心の左右移動が起きにくいため体の揺れが少ないのです。  反対に男性の場合、骨盤が閉じているため、大腿骨の付け根が近いです。これだと歩く時に腿の内側がこすれてしまうので、左右の足を離したほうが歩きやすい。ただ、これだとバランス