投稿

5月, 2023の投稿を表示しています

株式投資における、確定申告方法の使い分け

 5月21日の記事で、各種投資の確定申告及び税率について書きましたが、株式投資(証券投資信託も含む)に関しては複数の申告方法があり、それによっても税率などが変わってくるので、今回はそのタイプ別活用方法について述べたいと思います。 株式投資の申告方法は3種類  一部、前回のおさらいになりますが、株式投資の場合、確定申告の方法が3種類あります。総合課税、申告分離課税、申告不要(証券会社が代行)です。それぞれ申告手続きに違いがあります。 総合課税 ・給与などの他の収入と合算して申告 ・一般の所得税の累進課税制度が適用される ・配当控除が受けられる ・譲渡損失との損益通算ができない ・自身で確定申告が必要 申告分離課税 ・給与などのメインの収入とは別枠で申告 ・税率は一律20.315% (一部20.42%) ・配当控除はない ・譲渡損失との損益通算ができる ・自身で確定申告が必要 申告不要 ・証券会社が代行して別途申告 ・税率は一律20.315% (一部20.42%) ・配当控除はない ・損益通算できない といった内容になっています。全てにおいて有利なものがないため、自身の状況に合わせて使い分けないと、税額やコストが変わってきてしまいます。なので、ケースごとに何が得になるかを考えてみたいと思います。 物臭な人には、申告不要がおススメ  これはシンプルで一番わかりやすい。 最も手間がかからない のが、申告不要です。証券会社のほうで代行して申告してくれますし、税金も源泉徴収され代わりに収めてくれるので、自分では何もやらなくてよいからです。普段会社勤めをしていて時間をとれない人とか、家事や子育てで忙しいという人には、取引のみに時間を割くことができるので良いかもしれません。  ただ、デメリットもあります。まず、税率が20.315%に固定されるので、小額投資の場合は税率が高くつきます。さらに、配当控除が受けられないのと、損益通算(損失を他の収益で穴埋めすること)ができません。そのことから、スタートアップの時点では最も納税額が高くなる可能性があります。 できる限り税金を抑えながら始めたいなら、総合課税  先の表にあるように、総合課税の特徴は唯一、累進課税制度と控除が適用される

投資の税制面での特徴

 多くの方は会社勤めをして収入を得ているかと思います。その際、給与は給与所得に区分され るので、納税の際に累進課税制度に合わせて税率が適用されます。庶民の場合は所得が低いため、5%、10%あたりで済みますが、所得が増えると最高で45%も取られ、負担が増えてしまいます。  しかし、投資の場合はこの税率が適用されません。ではどうなっているのでしょうか? 投資は給与所得に区分されない  日本の場合、投資をしている人の割合が1割程度しかいないので、自分には関係ないと思って、知らない方のほうが多いと思います。しかし、ここ近年は少しずつではありますが、投資に挑戦する人の数が増えており、無関係ではいられない状況になってきています。  ただ、いざ初めてみると様々な違いがあります。その一つが所得区分です。  投資の場合、労働対価としてお金を手にするわけではないため、給与ではありません。かといって、何か商売を始めてその売り上げからお金を得ているわけでもないので、事業所得にもなりません。  実は、所有している金融資産の種類と収入の出所によって複数の区分に分かれます。 利子所得  預貯金や債券(国債、地方債、社債などの公社債)の利子、金銭信託、貸付信託、公社債投資信託の収益分配金が、利子所得の区分になります。税法上は総合課税ですが、一般的には 源泉分離課税方式 が適用されます。 利子所得の金額=利子収入額(源泉徴収される前の金額)  そして税率は、 所得税15%+地方税5%+復興特別所得税0.315%= 20.315% になります。  さらに、利子所得には累進課税制度は適用されず、金額にかかわらず税率は一律です。 配当所得  株式や証券投資信託を所有すると、配当金や分配金が定期的に支払われます。その収入が配当所得にあたります。 配当所得の金額=配当収入額 (源泉徴収される前の金額)ー負債の利子※ ※株式や投資信託を購入するのに、借入金がある場合  税率に関しては一部選択制になっており、これによって異なります。原則としては、他の収入と合算して総合課税として扱われるので、その合計金額に応じた累進課税税率が適用されます。この場合、配当控除が適用されます。  しかし上場さ

意外に勘違いしている、相手の立場に立つということ

 叱られている時などによく、「相手の立場に立って考えなさい」と言われたことがある人は多いと思います。でも実際のところ、お互いの脳が繋がっているわけではないので、中々相手がどう思っているのかわからないですし、想像したとしても確認しないことには合ってるかどうかわからないものです。  ただ相手の考えを推察するのが割とできる人と、いつも的が外れていてできない人がいるようです。しかも、相手の考えを読めないと出方がわからないので、間違った対応をし、対人トラブルを頻発させ、不幸せになる原因になります。そこで今回は、この両者の違いはどこにあるのか、分析します。 相手の考えを読み間違える人  では、相手の立場に立っているつもりで、推察できていない人にありそうなパターンを列挙していきます。 「自分だったらこうする」がベースになっている  相手の立場に立っているつもりになってる人がよくやりがちな、ベースの思考パターンがこれです。発達障害の人に多いそうですが、相手を自分に置き換えて考えるやり方をしてしまっているのです。  「もし自分がこのシチュエーションになったらこうする」とか、「もし自分がこうされたらこうリアクションする」とかといった思考法で、要は自分と相手のシチュエーションだけを入れ替えているのです。でも実際には価値観や判断軸も違うし、そうなった相手の背景もあるのですが、そこまでチェンジした上で考えるという習性がないんです。  その結果、立場を入れ替えたとしても自分の価値観と自分の判断軸でしか考えておらず、自分視点から抜け出せず、相手のことを考えない人、自己中な人という評価を得てしまいます。 深く考えず、決めつける癖を持っている  頭を使うのもかなり面倒な作業なので、脳は本能的かつ無意識にサボる癖があります。そこで採られやすい手段が、「決めつけ」です。決めつけてしまえば、それ以上考えなくてよくなるので、脳はサボることができます。  ただ、深く考えての判断ではないので、非常に浅はかなものになりがちです。しかも、決めつけはパターン化された思考なので、ケースバイケースで考えていません。なので、個々の相手と合うはずがありません。だから、読みが外れるのです。 人の行動パターンの引き出しが少ない  とはいえ、知識と経験がたくさん身についていれば、パターン化された思考でもそのバリエーションによってカ