今、世界において格差拡大が懸念されている。国連でも指摘していて、格差解消を課題として挙げている。この点は日本においても例外ではなく、国会や選挙でも必ずと言っていいほど議題として上がる。
ただ正直な話、格差拡大は本当なのだろうか?マスコミによる偏向報道やエコーチェンバーではないのか?
ただ正直な話、格差拡大は本当なのだろうか?マスコミによる偏向報道やエコーチェンバーではないのか?
資産額による階層ピラミッド
よく社会はピラミッド型になっていると言われる。各階層ごとに分かれていて、上へ行くほど割合が少なくなるためだ。日本では概ね下の図のように、保有資産額に応じて階層化されている。
最も多いのが最下層に位置する一般人で、上へ行くほど極少数になる。この図ではピラミッド型になっているが、実際には東京タワーのように末端のほうがより広がる構造になっている。
よく槍玉に上げられる富裕層は1億円以上となっており、なかなかの大台であることがわかる。それより下は庶民ということになるが、その中でも4つに分かれていて、階層化されている。大体パーセンテージにすると、
よく槍玉に上げられる富裕層は1億円以上となっており、なかなかの大台であることがわかる。それより下は庶民ということになるが、その中でも4つに分かれていて、階層化されている。大体パーセンテージにすると、
超富裕層 :0.1%以下
富裕層 :約2~3%
準富裕層 :約6~8%
アッパーマス層:約15~20%
マス層 :約35~40%
一般 :約30~40%
となっている。最も多いマス層と一般だけで65~80%を占めているのに対して、富裕層以上となると多く見積もっても3%にしか満たない。これが富の偏在と言われるゆえんである。
格差拡大の論拠
で、この偏りがさらに拡大しているのではないかと言われているのである。その証拠とされるのが、ジニ係数の変化だ。厚生労働省の調査に基づくと、1981年は0.3491だったのが2023年には0.5855に拡大し、アメリカ並みの水準に近づいている。(ジニ係数:0に近づくほど平等、1に近づくほど貧富の差が激しいとされる)
もう1つ挙げられるのが、若年層(特に20代以下)の資産格差の開きだ。野村総合研究所によると、この若年層において有価証券の有無による二極化が進んでいると指摘している。将来の生活の不安と、新NISA開始にともなって投資に手を出す若年層が増えており、さらに近年株高の状況も相まって持てる者と持たざる者とで資産格差が広がっているというのだ。
さらにもう1つ挙げているのが、富裕層・超富裕層の増加だ。2023年の富裕層・超富裕層の推計は合計で165.3万世帯で過去最多だった。たった2年前の2021年と比べて11.3%も増加している。この理由として、株、債券、投資信託などの流動資産を多く保有しており、それが高騰したことにあるとしている。
不可解な変化
その一方で不可解なデータもある。日本経済新聞では格差拡大の論拠として世帯所得の中央値の変化を挙げている。
1995年:550万円
2023年:410万円
となっており、28年で140万円減ったことを示している。このことから中流階層が没落していると言っているが、はたしてその解釈は正しいのだろうか?
先ほど富裕層・超富裕層の世帯数が増えている件を挙げたが、いくら富裕層の世帯数が増えても、超富裕層の世帯数が減ったら世帯所得は下がる。また既存の富裕層の没落があれば世帯所得も下がるので、このデータだけでは格差拡大しているとは言いがたい。
実は超富裕層の没落を示すデータがある。「点検・日本の格差(中)機械の平等政策の軸足に:森口千晶著」によると、2014~2020年にかけての上位1%を対象にした調査で、フランス、アメリカは順調に資産を増やしている中、日本は一度も上昇することなく一貫して下降していた。つまり、上位の富裕層が本当に没落していたのだ。
さらに下のグラフを見ていただきたい。
実は超富裕層の没落を示すデータがある。「点検・日本の格差(中)機械の平等政策の軸足に:森口千晶著」によると、2014~2020年にかけての上位1%を対象にした調査で、フランス、アメリカは順調に資産を増やしている中、日本は一度も上昇することなく一貫して下降していた。つまり、上位の富裕層が本当に没落していたのだ。
さらに下のグラフを見ていただきたい。
このグラフは、上位1%と上位10%、それと中央値(庶民に近い数値)の給与の変化を表したものだ。見ての通り上位1%は多少上下動はあるものの、どの層もそれほど格差は広がっていない。
それどころかいずれの層も少しずつ右下がりになっている。ということは、格差が広がっているというより、貧富の差に関係なく日本全体が貧しくなってきているということなのだ。
所得が落ちている原因
では、なぜ所得が減っているのだろうか。1つの大きな原因は、少子高齢化だ。高齢化し年金暮らしの人口比率が増えれば、それだけ平均所得も下がる。特に後期高齢者となれば労働に従事している人は極少数になるので、給与収入はほぼ皆無、ほぼ年金になる。
さらにこれが商社や小売業の給与にも影響する。顧客の高齢化も進むから、お客の買い渋りが増える。そうなれば業績は低迷するので、給与アップどころか人件費カットに転ずることになる。医療・介護・福祉においてはこの影響はさらに深刻で、閉院・閉業が相次いでいるため失業者まで増やしている。
そしてこの高齢者の年金には、大きな問題をはらんでいる。それは納付額の格差だ。実は年金制度ができたばかりの昭和36年~41年までの納付額は、35歳以上で月150円、35歳未満では100円という激安だった。これでは老後の資金など溜まるはずもない。反対に現在は月17950円と約120倍に跳ね上がっている。これでは現役世代も消費に回すお金がないから、物が売れにくくなる。当然、給与は増えないだろう。
そしてこの高齢者の年金には、大きな問題をはらんでいる。それは納付額の格差だ。実は年金制度ができたばかりの昭和36年~41年までの納付額は、35歳以上で月150円、35歳未満では100円という激安だった。これでは老後の資金など溜まるはずもない。反対に現在は月17950円と約120倍に跳ね上がっている。これでは現役世代も消費に回すお金がないから、物が売れにくくなる。当然、給与は増えないだろう。
痛みなき改革を避けたのが現在
結局なぜこうなったかというと、大枠でいえば痛みを伴う改革を先延ばしにし続けたからだ。これを抜本的に改革しようとすると、絶対に犠牲者が出る。となれば対象者は反対する。するとそれが選挙の得票数に影響するから、どの政治家も避けざるをえなかった。
しかし、それが限界を迎えようとしている。となれば誰かがその痛みを受けなくてはならない。取れそうなところから取るではなく、このような状況におちいらせた人にその報いを受けさせる時ではないだろうか?自分の始末をちゃんとつけてこなかった層にこそ、ちゃんと責任を負わせるべきだ。

























