そういうことをするのは、どんな人なのか?なぜしてしまうのか?実際に目にしたことをもとに、解明する。
レッテル貼りをする人
そういう人の素性やプロフィール、経歴を見てみると、一般的に不遇といわれる部類に入る人が結構いる。雇用関係だと、長年の非正規労働者、氷河期世代、過剰な転職回数、過重労働の職種など。精神関連だと、うつ病で休職中とか、双極性障害で社会に居場所がないとか、長年にわたって引きこもり中などというのが割と目につく。これによって望まぬ結果に至っている人たちといえる。
確かに非正規労働にしても氷河期世代にしても不利な条件ではあろう。特に世代は自分で決めたわけではないからどうにもならないし、過重労働も需給バランスの悪さが原因としてあるので本人の責任とは言いがたい。精神に関しても療養期間はどうしてもブランクになってしまうし、体力やモチベーション、ポテンシャルが低下してしまうのはハンデとなろう。
だからこういった不遇に遭っている人は、そのハンデに対して大きな悔しさと無力感を抱いていることが多い。この精神状態で金持ちを見ると余計羨ましさが増すだろう。自分の不幸で苦しい境遇に対して、金持ちは資産を転がすだけで楽してお金を増やしているように見えるから。その上、企業の取締役になれば自分の報酬を自分で決められる(本当はそうではない)となれば、お金を独占されている気分になるだろう。
金持ち・・・羨望の対象から憎しみの対象へ
そういった金持ちに対するネガティブなイメージが膨らんだ状態で、たまたま一人が不正を働いたとなれば、「あ~、やっぱり!」となって金持ち=悪人という方程式が自分の中に出来上がってしまう。ちなみに、こういう心理現象のことを、確証バイアスという。この段階で金持ちは、自分の中で憎しみの対象に変化する。
本当の問題点は何か?
しかし、実はこの手の思考にとらわれる人たちには問題点がある。それに気づかない限り現状を打開することはできないし、誹謗中傷やこき下ろしを手放すことができない。それは何か?
① リスクマネジメントをしてこなかった
まず重要なのはリスクへの予防、いわゆるリスクマネジメントをしてこなかったことだ。雇用や世代、病気、生育環境など、様々なバックグラウンドは確かにあろう。しかし、それだけが100%運命を決めているということはありえない。なぜなら、自分で対策できるものも必ずあるからだ。
例えば、ちゃんと勉強していればいい学校へは入れて、正社員採用されたかもしれない。完璧主義を捨てていれば対人関係が悪化せず、転職せずに済んだかもしれない。夜更かし不摂生せずにしっかり睡眠時間を確保していれば、うつ病にならなかったかもしれない。衝動買いをやめていれば、お金が手元に残ったかもしれない。
こういった自分の選択次第でリスクを回避することは可能だし、例えアクシデントが発生してもその影響を低減させることができる。
しかし、こき下ろしをする人は大丈夫だろうと高をくくって、リスクマネジメントをしてこなかった。それどころかリスクが眼中になかった。だから、不慮の事故のように感じて、自分の運が悪いように見えてしまう。
ちなみに金持ちにとってこういったリスクは織り込み済みで、想定の範囲内である。
② 日々の何気ない選択を軽視している
不遇にあえぐ人たちは、日々の小さな選択を軽視する傾向にある。先ほども言ったように彼らは高をくくるので、小さな選択は誤差の範囲内で、人生に影響しないと甘く考えているのだ。
例えば貯金をするかしないか、そのために節約をするかしないか、さらにそのために酒やたばこを止めるかどうか・・・。こういったことは健康で特に困っていない時には問題にならないので、見てみぬ振りしがちである。
しかし年を取り長年の不摂生が祟って、体調を崩すことになる。そうなると治療費がかかるし、その間の生活費を捻出しなくてはならなくなる。でも節約しなかったから貯蓄がないとなると病院にかかれないし、食べることすらできない。こういった小さな選択は、巡りめぐって大きなツケとしてやってくるのだ。
金持ちがお金にシビアで健康オタクであるのは、このためである。
③ 変化を嫌い、現状維持を望む
もうひとつ挙げるとすれば、変化への対応だろう。不遇になる人というのは、とかく変化が嫌いな人が多いのではないだろうか。変化を受け入れるとそれに合わせて対応を変えなくてはならないので、手間がかかり、面倒である。現状維持であれば手間がかからないので楽だから、抵抗したいという衝動に駆られてしまう。
だが残念ながら変化しないものはない。仏教でも言われるように、この世の全ては諸行無常である。つまり、いかなる物事も今の状態を維持することはできないと説いている。家は老朽化するし、家電製品はいつか壊れるし、会社の人員は入れ替わるし、いつも体調がいいということはないし、そもそも自分自身が必ず老いて衰えていく。
よって変化せざるをえないのだ。若い頃は体力勝負できるかもしれないが、中年になってくるとだんだん辛くなってくる。そうなると働き方やポジションも変化させないと、体力や家計に対応できなくなる。そのことを想定して若い内から布石を打っておくと、年を取った時に困らなくて済むのだ。
だから金持ちは変化をすすんで受け入れる。
みんながあぐらをかいている間でも、金持ちは見えないところで動いている
そもそも多くの庶民は、金持ちが何をしているかなんて真偽不明のうわさを聞くだけで、実際に見たことはないだろう。現実の金持ちなんて非常に用心深いので、油断禁物とばかりにストイックな選択を採る人が多い。庶民があぐらかいて寝そべっている時も、万が一を考えてあの手この手を尽くしている。
だから、庶民が災難に遭って困窮している時も、金持ちは慌てることなくスマートに順応する。それは普段の仕込みこそが重要で、平時にどれだけのことができるかあらかじめ考えていたからだ。
しかし、庶民はその時の姿を見ていないから、初めからお金を持っていたとか、悪いことをやって不正に得たというように思えてしまう。金持ちこそがアリとキリギリスのアリなのである。























