これに対して、娯楽やエンタメ、金融、コンサル、ITといった生活には直結しない、サブ的な業種や経営層ほど報酬が高い。この一見需要と報酬が逆転しているかのような現象はなぜ起こるのか?その構造を解説する。
メインの客層の違い
まず言えることは、メインとしている客層が正反対ということだ。インフラは貧富関係なく利用するので、絶対多数である庶民がメインの客層にならざるをえない。鉄道やバス、自販機飲料、ファストフードにいたっては、ほぼ庶民しか利用したがらない。しかも庶民は値上げに批判的なので、なかなか利幅を増やすこともできない。
こういう庶民をメインにした場合、薄利多売のビジネスモデルにするしかないので、どうしても給料を払うだけの余力がないため薄給にするしかなく、その癖仕事量は多いというジレンマが生じる。
これに対し生活に直結しない仕事の場合、メインの顧客が富裕層や企業である。というか、庶民には縁遠く感じられる業界である。そのためほとんどの顧客が資金に余裕があるし、大きなお金が動くので、報酬に関して青天井のところがあったり、相場があって無いようなものだったりする。
人材の希少性
正直、インフラ系や衣食住に関わる仕事は、替えが利く仕事である。よほどのポンコツでなければ、誰でもなれる仕事である。なので職場側としては最悪退職されても、また別の人にチェンジすればよいので困らない。
むしろ元々薄利な上に賃上げしたら採算が合わなくなるのし、そこまで売り上げに貢献するとは期待できないから、薄給のまま抑えるしかないという判断になってしまう。
これに対して高給取りの仕事の場合、その人個人の希少価値に報酬が発生している。その人しか持っていないスキルや資格があり、それが莫大な収益を生むので、どうしても替えが利かない。しかも、その利益が高報酬を支払ってもあっても余りある。つまり、高収益×希少性のコンボがあるのだ。
もう一つある高給取りの条件が、みんながやりたがらない仕事だ。例えば経営者や会社役員なんて、責任が重いしギャンブル性が強くて怖いという人がほとんどなので、あまりやりたがらない。なので、高報酬で釣らないとやる人がいなくなってしまう。
その他、危険性の高い仕事もみな避けるので、高報酬を提示せざるをえない。絶対ではないが、不人気の職種も手当てなどがあって報酬が割高のケースはある。
コストパフォーマンスの問題も
あとは、コストパフォーマンスも外せないファクターだ。インフラや衣食住に関わる業種は消耗品を提供していることが多く、リピーターが多くても生産供給に毎回コストが発生する。
しかもそういった物ほど同じものが絶え間なく供給されるので、希少価値がなく資産にならないことからプレミアムがつかない。結果薄利になりがちで、賃上げする原資が得られないので給与は据え置きにならざるをえない。
一方、これとは真逆の業種は知識や経験、能力、資産といった消耗されないものを価値として提供している。むしろノウハウが蓄積したり、プレミアムがついたりして、より希少性が高まるので、価格はうなぎ登りである。そうなると収益が得られやすいし、報酬アップの原資も確保できるから収入は上がりやすい。
結局、ない袖は振れぬ
誰にとっても不可欠な仕事ほど客層に庶民が占める割合が高くなるので低価格を要求されて収益を上げられない。その上、希少性の高い仕事ではないので替えが利く分、給与は上がらない。結論、ない袖は振れないという話で、何かを犠牲にしない限り賃上げは不可能である。
やはり報酬を上げるためにはクラスチェンジが不可欠で、そのためにも何か自分特有の価値を作らなければならない。それには、リスキリングをするしかない。
やはり報酬を上げるためにはクラスチェンジが不可欠で、そのためにも何か自分特有の価値を作らなければならない。それには、リスキリングをするしかない。

















