その反対に定型発達はマルチタスクができると言われ、こういった時でも同時に処理できると、精神科や心理学の世界では信じられているが、これには極めて大きな間違いがある。というのも、こういう状況というのは主に仕事で発生しやすいが、仕事術やスキルアップの世界では、マルチタスクなんて誰がやっても上手くいかないというのが常識である。
ではなぜこの誤解が生まれ、未だに精神科で信じ続けられているのか?そして、仕事のできる定型発達はどうやってこなしているのか?その真実について明かしていく。
ではなぜこの誤解が生まれ、未だに精神科で信じ続けられているのか?そして、仕事のできる定型発達はどうやってこなしているのか?その真実について明かしていく。
そもそもマルチタスクは、全ての人間に不向き
まずはマルチタスクについて解説しよう。マルチタスクとは、複数の案件を同時にこなすことである。
具体例を挙げると、事務員が締め切りの迫る入力作業をしている時に、顧客から電話がかかってきて応対をせざるをえないにもかかわらず、上司に捕まって用事を頼まれるといった状況だ。まあ、よくあるケースだが、ここでは「入力作業」「電話応対」「上司からの頼まれごと」という3つのタスクを同時に抱えている。この状況がマルチタスクで、しかもそれぞれに「締め切り」「顧客」「主従関係」という縛りもあり悩ましい。
こういう三方塞がりの状況で発達障害の人は固まりやすかったり、対処を間違えやすかったりして、多方面に迷惑をかけやすいと言われるのだ。
だが、実際には定型発達に対して行われた心理学実験においても、マルチタスクの状況ではパフォーマンスが40%と半分以下にまで落ち込むことがわかっている。このことから、マルチタスクが向かないのは発達障害に限った話ではなく、「全人類に言える」ことなのだ。
なぜ間違った言説が未だに流布しているのか?
ここで疑問に思うのは、なぜこの間違った「定型発達=マルチタスク」という言説が未だに言われ続けているのかだ。
ひとつは、医学界と世間との乖離である。医学界そのものがあまり世間一般からかけ離れているため、世間のオーソドックスや仕事現場に疎いというのがある。そもそも医学の仕事内容が特殊過ぎるし、ましてや研究職となると尚更だろう。世間一般のオフィスワーカーがどう仕事を回しているかなんて知る由もないし、現場作業員がどう業務をこなしているかなんて想像だにしない人が仕事について語るのだから、おのずと間違った知見になりやすい。
ひとつは、医学界と世間との乖離である。医学界そのものがあまり世間一般からかけ離れているため、世間のオーソドックスや仕事現場に疎いというのがある。そもそも医学の仕事内容が特殊過ぎるし、ましてや研究職となると尚更だろう。世間一般のオフィスワーカーがどう仕事を回しているかなんて知る由もないし、現場作業員がどう業務をこなしているかなんて想像だにしない人が仕事について語るのだから、おのずと間違った知見になりやすい。
さらに言えるのは、健常者は医者に用はないので来院しない反面患者は通院するので、情報が患者サイドに傾倒しがちなのもあるだろう。
この結果、医師と患者・障害者だけの隔絶された世界が形成されてしまい、社会一般の情報が入ってこない環境が作られてしまっている。要は現場感覚がない者同士で定型発達の仕事ぶりを想像だけで判断しており、隔絶されているがゆえにそれを指摘修正する人もいないから、そのまま信じ込まれているのだろう。
シングルタスクのままでこなすには?
ではなぜ発達障害と定型発達では、同じ状況下で異なる結果になるのだろうか?実のところ、マルチタスクの状況になった際の対処の仕方に決定的な違いがある。
①優先順位をつける
まずできる人は、行動する前に優先順位を考える。優先順位を決める基準には複数のファクターがあって、緊急度、かかる時間、期限などがあるのだが、この中で最も脳をなるべく使わず時間短縮できる順位をシミュレーションする。
顧客対応は緊急性が高いから1番、上司からの頼まれごとは10分で終わりそうだからその次にやって、タスクの減った空っぽの頭で入力作業に集中するといった具合だ。
しかも、優先順位を決めてしまえば後は取り組むだけなので、ひとつひとつの仕事はシングルタスク化できる。
しかも、優先順位を決めてしまえば後は取り組むだけなので、ひとつひとつの仕事はシングルタスク化できる。
②実行に移すが早い
しかも決断実行の早さも特徴としてある。というのも、優先順位を決めるというのは未来予測にあたるので、明確な正解はわからない。どこまで考えてもやってみないことには成功には結びつかないし、もし完璧でなかったとしても早く実行したほうが利があることを悟っている。
だから一度優先順位をつけたらとっとと実行に移す。そうやって素早く個別に実行することで無駄なタイムラグを減らし、タスクを高速回転させている。
③パターン化
さらにいうと、個々の業務をパターン化させているのもある。そうすることで、機械的に動くことができるから頭脳労働と無駄な動きが減り、最小限の労力でこなせるようにしている。当然体力を温存することもできるから持久力が上がるし、疲労しにくいというメリットもある。
できる人=効率化が上手い
ここまで見てきて、できる人に共通するのは時間を意識しているということだ。時間をとにかく短くすることにこだわりを持っており、そのために効率化と省力化を常に意識している。その代わりシングルタスク化してひとつの仕事に集中して取り組めるようにし、100%のリソースを出せるように図っている。
こうやって多くの業務を高速回転させているから、あたかもマルチタスクを行っているように見えるのだ。
こうやって多くの業務を高速回転させているから、あたかもマルチタスクを行っているように見えるのだ。
なので、マルチタスクできるなんてのは空想の話で、実際にはできる人ほどシングルタスクなのだ。医師の言う定型発達はマルチタスクができるなんていう言説は全くの嘘で、そんな人間はこの世に存在すらしない。むしろ、シングルタスクこそがシゴデキの秘訣そのものなのだ。





















