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2026年3月1日日曜日

給与が増えないのは策略でも陰謀でもない ○○の保障がセットだから

 約30年間のデフレスパイラルがようやく終わり、インフレ(スタグフレーションとも言えるが)に転じた日本。これによって生活費が高騰し、家計へ圧迫が問題視されている。そのため、勤め人の給与アップが求められているが、なかなかこれが物価上昇率に見合うほどにはいっていない。

 実は昔からそうだが、給与というのはあまり上がらないものである。出世をしてポジションが上がれば役職手当がついたり、役員報酬に切り替わったりして、そこそこ収入が増えるのだが、同じポジションに居続けたままだとあまり昇給しないものである。

 そして、この状況に追い込んでいるのは富裕層が富を独占しているからだとか、政治家と富裕層の結託による策略だとかといった言説が頻繁に聞かれるが、そんなのは所詮裏取りのできない眉唾物の陰謀論に過ぎない。大体、1憶2000万人も国民がいたら否応なしに社会は複雑化するので、そんな容易にはいかず少数の人間が末端まで操るのは不可能である。

 では、日本の給与が上がらない本当の理由は何なのか。勤め人にとって不都合な真実を明らかにしていく。


 日本の一般的な給与の形態


 日本の給与形態の場合、正社員は月給制、非正規労働者は時給制が採られることがほとんどだ。この2つの形態の共通点は、「出勤」が給与の支払いの条件になっているということだ。会社の業績や個人の成果は一切加味することなく、出勤して粗相さえなければ最低限の給与は絶対に支給される。

 例え会社の業績が悪化しても減給されることはないし、リストラ勧告されても自分が応じなければ解雇されることはない。それは法律で規定されているのもあって、従業員へ安定した給与の支払いを保障しているからだ。




 安定の保障こそが、会社にとって最大のリスク


 だが、これは経営サイドから見たら大きなリスクである。業績が悪くても定額で給与の支払いを続けなくてはならないので、損失拡大にしかならない。加えて一度給与アップをしてしまうと、業績不振になった時により損失額が拡大しかねない。

 本来なら業績に合わせて給与額を増減できるようにした方が、経営の観点から存続しやすくなる。しかし日本の司法は経済・経営に疎いので、場当たりな労働者の収入安定にのみ注力してしまう。その結果、経営を困難なものにしてしまい、企業は業績不振時の損失低減や存続のための資金として内部留保が必要となり、その手段として従業員の昇給回避を行わなくてはならなくなっている。


 報酬アップするなら、歩合制かジョブ型


 このことから、昇給しないのは従業員自身の仕業で、従業員が「安定」を求め、会社がそれを保障しなくてはならない給与形態になっているからなのだ。よって給与を増やしたいのであれば月給制や時給制を止め、安定を手放さなくてはならない。そして代わりに導入するのは、歩合制やジョブ型である。

 歩合制は会社の業績や自分の実績に応じて報酬を上下させる方式である。収入が不安定にはなるものの、自分が仕事を頑張って実績を上げさえすれば、それに比例して報酬を得られるので収入が増えやすい。

 ジョブ型は請け負ったミッションごとに報酬を支払うもの。こなしたミッションが多ければ多いほど、難易度が高ければ高いほど、報酬が増えるシステムで、従業員側で一定程度報酬アップに向けコントロールできるのが魅力だ。


 昇給と安定は両立しない


 日本の労働者はとかく欲深く、不安感も強いので、昇給と安定の両方を求める傾向が高い。しかし残念ながら、それはダブルバインドで両立しない。つまり、無いものねだりである。

 収入を増やしたいなら、どうしても安定を捨てなくてはならない。なので、収入を増やしたいなら給与形態など、収入の在り方を全般的に見直す必要がある。