よく感情的な人と話をしていると、辻褄が合っていなかったり、考えが稚拙だったり、衝動的だったりして、違和感を覚えたことはないだろうか?気持ちを大切にするというのは、雰囲気だけで捉えると思いやりや愛情がありそうで、一見聞こえはいい。
しかし実際にそういう人に触れてみると、幼さを感じたり、自分のことしか見えていなかったり、それゆえ人間関係のトラブルが多かったりして、浅はかさを見て取れる。そして、浅はかということは思考が十分ではなく、先のことを見通せておらず、場当たり的な行動を採りやすいということでもある。
その証拠に最も感情に飲み込まれている精神障害として双極性障害や統合失調症があるが、これらの精神障害になるとIQが20ポイントほど下がることが臨床結果で出ている。CT検査でも委縮が見られるという話もあり、脳機能の低下が画像でも確認されている。特に躁状態の時の行動は非常に衝動的で理性がほぼ効いていないことから、感情優位になると脳のそれ以外のところが全く機能しなくなるのがわかる。
ではなぜ人は感情を大切にすると脳機能が落ちてしまうのだろうか?科学的な側面からこれを解説する。
世間にはびこる「脳への負荷 感情<論理」の嘘
感情的になっているところを見ると、頭が悪そうとか、感情を吐き出しているだけだからストレスフリーだろうと思う人は多いだろう。反対に理屈や論理で考えるのは難しそうで、脳が疲れてしまいそうと考える人が少なくないのではないだろうか。
実は、感情と論理で脳波の強弱に違いがあるのかを調べた研究がある。興味深いことに結果は世間の常識とは真逆で、感情のほうが脳波が強く、論理的思考をしている時のほうが弱かった。つまり、「感情>論理」だったわけだ。ということは、脳への負荷も「感情>論理」と言える。
実は、感情と論理で脳波の強弱に違いがあるのかを調べた研究がある。興味深いことに結果は世間の常識とは真逆で、感情のほうが脳波が強く、論理的思考をしている時のほうが弱かった。つまり、「感情>論理」だったわけだ。ということは、脳への負荷も「感情>論理」と言える。
なぜこういう結果になるのか?論理の場合は事実ベースでしか考えないので、論拠とする情報が確定的なものばかりであり、結論も断定しやすい。シンプルかつ余計な詮索をしないので思考量が小さく、結論もすぐに出るために負荷が小さくて済むのだ。
これに対して感情は、感情自体が流動的で不確定であるため、推し量るのが難しい。しかもありとあらゆる結末が考えられ、一つの結論を導き出すのは不可能に近い。ゆえに思考が複雑化してより思考量が増える悪循環に陥りやすい。しかも、欲と防衛機制の綱引きなども絡むので余計結論に至りにくく、思考や悩みが長引いてしまう。その結果、どんどん脳への負荷が増えてしまうのだ。
脳への負荷が増えると、残りのリソースが減る
そうなると、さらに困った問題が起きる。脳のリソースは有限なので、その多くを感情に割いてしまうと残りが少なくなってしまう。なので、常日頃から残り少ないリソースだけで処理しなくてはならないために、本来もっと頭を使わなくてはならないところに労力を割けなくなる。これが脳機能の低下である。
感情による脳機能が低下が進行すると、感情をつかさどる偏桃体ばかり成長してしまい、余計に感情に左右されてしまう。反対に偏桃体以外が退化してしまうので、理性が効かなくなったり、論理的思考ができなくなり学業や仕事についていけなくなったり、後先考えない判断しかできなくなったりする。そうなると、日常生活に支障が出るのは必至だろう。
感情による脳機能が低下が進行すると、感情をつかさどる偏桃体ばかり成長してしまい、余計に感情に左右されてしまう。反対に偏桃体以外が退化してしまうので、理性が効かなくなったり、論理的思考ができなくなり学業や仕事についていけなくなったり、後先考えない判断しかできなくなったりする。そうなると、日常生活に支障が出るのは必至だろう。
多大な感情は脳を委縮させる
そしてもっと問題なのは、あまりに感情に囚われ過ぎると脳へのダメージが多大になり、脳自体を蝕んでしまうことだ。これにより脳の萎縮が起こってしまい、認知症のリスクが上がってしまう。
実際、双極性障害や統合失調症の患者の認知症発症率は健常者と比べると高いことがわかっており、統合失調症の場合2~2.5倍高いと報告されている。合併症である糖尿病や高血圧からくるものも含めれば20倍にも上るとの報告もあり、いかに感情の脳へ与えるダメージが大きいかがうかがえる。
感情を大事にするのも考えもの
このように、一見感情を大切にするのは素晴らしいことのように思えるが、実際にはかなりリスクを生じやすい。それは精神障害や認知症などの疾患にもつながり、自身の一生まで狂わせてしまう。
それに人生は感情のままに動いて上手くいくほど自分に都合よくできていない。むしろある程度自制した時のほうが人生の歯車が回りやすいし、そこで上手くいけば上手くいっただけ成功体験も積めるから、満足も得られる。
感情をどう制御するか、これが健康に生きる鍵である。
それに人生は感情のままに動いて上手くいくほど自分に都合よくできていない。むしろある程度自制した時のほうが人生の歯車が回りやすいし、そこで上手くいけば上手くいっただけ成功体験も積めるから、満足も得られる。
感情をどう制御するか、これが健康に生きる鍵である。

