2025年8月19日火曜日

「~たら、~れば」の考えをもつから落ちこぼれる

 よく「他の人がやってくれたら」とか、「社会が変われば」みたいに、前提として「たられば」の話をする人がいる。しかも、この「たられば」を言う人の前提は、最悪の事態を想定するのではなく、最良を期待したものという特徴がある。

 こういった人を見ていると、風采の上がらない人が実に多い。人生が思い通りにいかないとか、不遇を買っているとか、何かと愚痴をこぼして自分は不幸だという思いに駆られている傾向が強い。


 たらればが上手くいかない理由


 なぜたらればを言うと、不幸な運命を歩むことになるのだろうか?なぜたらればは、何も得られなくなるのだろうか?なぜたらればの思考を持つと、失敗が増える一方になってしまうのだろうか?


 ① 腰が重くなり、決断できなくなる

 たらればというのは、言ってしまえば「条件つき」の決断だ。つまり、この条件がそろったらいいのにという考えが前提としてある。裏を返せば、条件がそろわなかったら決断しないし、行動に移さないということ。その分、腰が重くなるからスタートしようとせず、初っ端から出遅れることになる。

 しかもこれがエスカレートすると、やらない理由探しをするようになり、たらればを増やすことになる。これにより、もっと決断が遠のくことになる。


 ② 他人への依存が高まり、自立できなくなる

 たらればの考えの下、他人が何とかしてくれるのを前提としていては、いつまで経っても自分で生きるスキルが身につかない。そうなると、自立した生活ができなくなってしまう。

 しかし、他人はロボットや奴隷ではないので、常に自分の思い通りに動いてくれるということはない。条件がピッタリそろうことは確率0%なので、たらればを言っている内は永久に自立できない。


 ③ 経験や成功体験を積めず、自尊心が育たない

 行動に移さなかったり、他人にやってもらってばかりだったりすることで、自分の力で手にしたものがわずかになってしまう。そのせいで、自信もって自分でできるといえるものが限られてしまう。

 それは自ら自分の可能性を狭めており、自分で自分のことを無能であるとレッテルを貼ることになる。これによって自尊心を自ら下げ、精神障害や無気力な状態へ落とすことになる。


 ④ 自分で自分の人生を作る力がつかない

 とにかく決断しない、やらないとなると、いつまで経っても生きるため、自己実現するためのノウハウやスキルが身につかない。自分で生きる力が無いから他人に頼らなくてはならなくなるし、他人に期待しないわけにはいかなくなる。

 そうなると、他人にばかりやらせて自分では何もしないわけだから、他人は不満を蓄積させていつかは爆発する。その結果、人間関係が終了して自分は詰んでしまう。


 ⑤ 他責、責任転嫁が激しくなって、社会を敵に回すようになる

 さらに一番厄介なのは、他責や責任転嫁が増えることだ。たらればは他人に期待する行為なので、他人が自分の思い通りに動いてくれないと他責することになる。しかもそれが本来自分でやらなくてはならないことだと、責任転嫁することになる。

 しかし、他人は自分の思い通りには動いてくれないので、他人のせいにしている限り何も変わらない。それどころか、他人に刃を向けるので確実に対人関係は悪化する。そこで自分のしたことに気付けない人だと、社会を敵視するようになり、孤立を深める。


 生き残る人の考え方


 では、落ちこぼれることなく着実に生き残る人は、どんな考え方を持つのだろうか?

 ① 決断をするのに条件をつけない。
 ② 条件がそろわなくても、まずスタートする。
 ③ 他人を当てにしない、不確定要素は加味しない。
 ④ 数回やっただけで見切りをつけない。数をこなすことを重視。
 ⑤ 自分の人生は自分で作らないと自分のものにならないと理解している。
 ⑥ 自分に落ち度はないか、自分で工夫できる部分はなかったか考える。

という特徴がある。ベースとして悩むのが無駄だと考えており、やってみないと何とも言えないからとりあえずスタートしてみるというスタンスだ。先延ばしが一番の損になるとわかっており、さっさと決断しないといけないという危機感を持っている。それゆえに決断を鈍らせるのが嫌なので、感情に囚われたくないという姿勢も見受けられる。


 できるか否かではなく、将来困るか困らないかで考える


 こういう言説の際によく出てくるものとして、できるできないの話がある。これは全くの見当違いの話で、方法が確立しているものに関しては誰がやっても同じ結果が出ることが判明しているので、才能や能力、運、環境は関係ない。やったかやらないか、方法が合っているか否かで成果が決まるのである。成果が出ていないということは、そもそもやってもいないか、間違っているのに直さないかなのだ。

 それよりも、やらずにいると必ず報いを受ける。その時になって困るのは自分である。しかも、困ってから重い腰を上げても時すでに遅しで、挽回できない。たらればが実現することは万に一つもないので、サッサと見切りをつけて将来自分が困らないように何かを始めることが生き残る唯一の秘訣である。




0 件のコメント:

コメントを投稿