しかし、これに対して私は疑いを持っている。倫理的に陰謀論にはまるのがよろしくないというのもあるが、そうではなくてあまりに表面的過ぎるものの見方だからだ。というのも、支持している人や恩恵を受けている人がいるからこそ、既得権者が存在したり、矢面に立たされていたりするわけで、背後にいる受益者を見ることでしわ寄せの根本原因にたどり着くことができる。
そこでここでは、既得権者というありきたりで安直な結論ではなく、各種問題の背後にいる「受益者」について分類する。
各種問題・矛先・支持層・恩恵
日本には低賃金・非正規労働問題、人手不足問題、社会保険料問題、学校問題、病院の経営危機など、その問題は多岐にわたる。これをひとつひとつ論評するのは読みづらいので、一覧表にまとめることにする。
| 各種問題 | 矛先 | 受益者 | 恩恵 |
|---|---|---|---|
| 低賃金・非正規 | 経営者・政府・T氏など | 消費者 | 低価格志向・家計負担低減 |
| 人手不足 | 経営者・政府など | 消費者・求職者 | 上記 + ブルーカラー敬遠 |
| 教員の多重業務 | 文科省 | 保護者 | 様々な要求・教員任せ |
| 税・社会保険料 | 財務省・政府 | 年金・生活保護受給者 | 年金・保護費・医療費の肩代わり |
| 病院経営 | 経営者・医師・厚労省 | 患者・健保組合 | 安い医療費・組合の倒産回避 |
まだたくさんあるだろうが、一旦この辺にしておく。
矛先としてよく槍玉に挙げられるのは、強者といわれるものばかりだ。しかし、実際の受益者を見てみると、実は庶民や弱者などの名もなき人々なのだ。矛先となっているものはあくまで御用聞きに過ぎず、真実は異なるニーズを持った庶民同士の争いなのである。
総論賛成vs各論反対
さらに極めつきは、この相反関係にある願望を各々が持っているという問題だ。低賃金・非正規問題なんかはわかりやすく、いざ消費者の立場となると低価格を求めるから、給与アップは望む癖にその原資を提供しようとはしない。医療にしても、高度な医療を求める癖に医療費の高騰や保険料の値上げには消極的である。
これは大局的に考えたら賛成でも、自分個人に降りかかった場合は反対という、総論賛成各論反対の構図である。しかしこれは、相反関係にある以上両立はせず、どこかで線引きをして妥協しなければ決着しない。なぜなら双方100%叶えようとすれば、採算が合わなくなって破綻するからだ。
結局、妥協しつづけるしかない
結局のところ物事の解決とは、妥協し合って落としどころを見つけることでしかない。妥協なき解決は他者に犠牲を丸投げするか、不採算になって破綻するかしかなく、悲劇的な結末にしかならない。
特にここ近年はこの傾向が強く、その結果恨みつらみの応酬で争いが頻発するようになっている。先に折れたほうが、利を得られることを気付くべきだ。


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