よくいう完璧主義の問題点はココ!
心理カウンセリングやメンタルヘルスの世界で、「完璧主義」は良くないということがよく言われる。
完璧主義というと一般的には、書類が完成してからでないと提出できないとか、頭の先から爪先まで完全コーディネートしてから外出するといった様を思い浮かべる方が多いと思う。これはこれで心配性からくる不都合はあるが、より良くしたいというポジティブな方向に向かっているし、何かを生み出してはいるので救いがある。
しかし、メンタルの世界で問題になる完璧主義はこれとは異なる。
問題になりやすい完璧主義
よく取りざたされている完璧主義とは、こういうタイプである。
「一つでも違ったところがあると許せない」
私のツイートに完全に同調し些細な異論すら許さない、リモコンの配置が少しでもずれていると許せない、帰宅時間に遅れるのが許せないなど・・・。
共通するのは、「許せない」というネガティブな感情をはらんでいることだ。
前記の事例を一つ一つ見ていくと、人の考えなど千差万別なのだから、完全一致などそもそも有り得ない。これを要求されても叶えてあげられる人など、どこにもいないのは誰でもわかるだろう。
リモコンの位置が数㎜ズレたり、順番が逆になったりしたところで、テレビやエアコンを操作するのに支障はない。
帰宅時間にしても、残業すれば遅くなるし、電車の遅れや学校行事の準備など、自分ではどうにもならない事情は山ほどある。にもかかわらず、1分たりとも遅刻は許さないと言われても不可能である。
どれを見てもそうだが、初めから「不可能」な事案ばかりなので、約束事として成立してないし、社会的常識から大きく逸脱している。
それを許せないと言われても、相手からしたら言いがかりや揚げ足取りとしか受け取れないだろう。
無自覚な認知の歪み
毎回同じパターンでトラブルを起こしているのと、自分との間でしか問題が起こっていないので気づきそうなものだが、不思議とこういうタイプは自覚が無い。認知に歪みがあるのと、長年その状態で過ごしているので自分の中で当たり前になっていて、それがおかしいということを自覚できないのだ。
さらに言うならば、このタイプは非常に自閉的である。自分の中の世界が全てで、それ以外の世界の存在が完全に頭の中から欠落している。
しかも、自分の頭の中に作り上げた有り得ない虚構と現実の区別がつかず、虚構の世界でしかなしえないことを現実世界でもできると誤解している。
なので、このタイプは理想主義者であることが多いように見受けられる。
一生願いが叶わない悲劇
ただ、非現実的で不可能な理想を追っているので、その願いが叶うことは残念ながら一生ない。そのため、常に欲求不満を抱くことになり、他人を問い詰めたり、身勝手な怒りを爆発させたりして、対人トラブルが絶えない人生を送らざるを得ない。
結果、いつまで経っても幸せにはなれない。自業自得といえば自業自得だが、これは悲劇としか言いようがない。
どうにかできないのかと言われても、恐らく多くの精神科医やカウンセラーも無理と言うだろう。自覚できないから、本人に直す意思がないのが一番のネックになるためだ。しかも、自閉傾向を持つとなると自分の築いた虚構の世界を壊されることを極度に嫌がるので、余計に反発するだろう。
なので、こういう人は社会に出さない、こちらも関わらないというのが、できる精一杯の方策とならざるを得ない。
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