そもそも行動力の「行動」の真意

行動しなければ変わらない、行動力が大切と最近よく耳にする。自分でもTwitterで書いたことがあるが、そもそも論としてここで言う「行動」の意味を、世の中の人はわかっているのか気になっている。

なぜ気になっているのかというと、私の顔見知りにアクティブに動き活動している人がいるのだが、目的を果たせる行動をとらずに、結果につながらない行動を延々と繰り返しているからだ。どうも行動の意味をはき違えているか、もしくは本当は臆病で必要な一歩を踏み出せずに別な行動で誤魔化している可能性がある。

なので今回は言葉の真意について深堀する。

多くの人は言葉の真意をはき違えている

先日ABEMA NEWSで、自己肯定感の意味を9割5分くらいの人が間違った解釈をしているのではないかという発言があって、やっぱりなと思った。特にここ近年は字面だけで判断する人が、増えたように感じる。正確には表面化してきたと言ったほうがいいか。

以前は何か訴えたり評論したりするには、新聞や雑誌、書籍など紙面に活字で表現するしかなかったので、評論する人も寄稿する人もある程度の肩書きと知見を持った人でなければできなかった。当然そういう人達は普段から専門および関連分野の研究や読書を重ねているから、原文を読んでいたり、原文を読まずとも複数の文章を読むことで平均化されたりして、ここで言わんとしているものが何なのかを、字面に騙されることなく理解できるようになる。そして、こういった人しかメディアに出てこられなかったから、言葉の齟齬が表面化しにくかった。

しかし、ここ近年ブログ、掲示板、SNSなどネット上に、誰でも利用できるオープンなソースが登場したことで、タイトルや目についたワードしか見ていない人の存在があらわになった。

先に言った自己肯定感もそうだ。私もそうだが、自己肯定感に関する原著を読んだ人など、ほとんどいないだろう。結果何が起こるかというと、意味を自己肯定感という字面だけで判断せざるを得なくなる。これだと手掛かりがほとんどないから、真意をはき違えるだろう。だから多くの人は自己肯定感の意味を、自信やポジティブシンキングだと勘違いしている。実際の意味は、現在のありのままの自分でも良いと否定せず受け入れることだ。

はき違えたまま行動することの愚

そして言葉の真意をはき違えたまま行動したらどうなるだろうか。当然目的とはズレた方向に走り続けることになる。しかもそれを頑なに信じ込んでいたら目も当てられないだろう。永久に目的地にたどり着くことはない。

さらに厄介なのが、こういう人物に限ってこのことを指摘すると、激しく反発する。恥の性質が強いから、自分が誤ったことを認められず、今度はその恥を隠すために間違った理解をあえて続けようとする。この段階になると、周囲をも巻き込むことになるから、なお厄介である。

冒頭の顔見知りなんかが正にこの例だった。社会運動をするのであれば政府や政治家に掛け合わないと変わらないし、場合によっては法律制定も必要になってくるので、陳情書を提出しないと始まらない。しかもその陳情書の信用を高め、自身の身分を保証するには、非営利団体や財団法人など何らかの法人格を持った団体の設立をすることが好まれる。

しかしその人はこういった行動は一切していない。それどころか、有象無象の跋扈するSNSで誹謗中傷を繰り返したり、そこに自分の動画を載せることに終始していた。こんなことばかりせず、具体的な行動をしないと世の中は変わらないのに。

行動する前にやること

結局、いきなり行動しても目的にはたどり着けない。つまり行動すること以上に、もっとやらなければならないことがあるのだ。それは何か。

学びと見定めだ。

間違った方向に行っては目的地にたどり着けないのだから、見定めることが欠かせないだろう。しかし何の手掛かりもなく見定めるのは不可能である。そのための判断材料として学びが必要なのだ。

だが得てして行動偏重や承認欲求が強い人は、自己アピールに一生懸命な分、学びを疎かにする傾向がある。そのため言う割には、知識が浅く薄っぺらい議論になりがちである。そして発言内容に具体性が乏しく、実現するためのプロセスやアイデアが出てこないケースを多く見かける。結果、大言壮語の割にいつも絵空事で、結果を出せずに終わる。

もっと残念なのが、そのことに本人が一番気づいていないことだ。ちょっと勉強しただけですごく勉強した気になるので、いつまで経っても知識が深まらないし、周囲との差が埋まらない。むしろ自分のほうがリードしているくらいに思っているから、痛いとしか言いようがない。こういう人物は、自分を謙虚に受け止める能力がないので問題である。

行間を読む力

以前ネットでの対談動画で堀江貴文氏が言っていた、行間を読む力がこういうところでも問われるのであろう。一言で行動力と言っても、実際にはそれ以外に必要になってくるものが必ずある。これを考えずに、字面だけで判断すると誤った方向に行くことになる。ご注意されたい。

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