生活困窮者がSRSを受けるとなると

SRS(性別適合手術)は、非常に高額な医療です。術式にもよりますが、手術代+入院費だけでも160万円~240万円ほどはかかるでしょう。実際には渡航費やホテル代、飲食代などもかかりますので、最低でも200万円は覚悟しなくてはならないでしょう。将来的には保険適用も検討されているということなので、そうなれば3割負担になるものの、それでも50万円~70万円の出費は安くはないです。


手術費用を貯められない


となると生活困窮者、特に生活保護受給者にとってはどちらにしてもかなり困難な話になるでしょう。というのも、生活保護受給者は10万円以上貯蓄してはならないことになっているので、手術代を貯めることができないからです。しかもケースワーカーに収支の報告もしなければならず、誤魔化しが利かない。


医療扶助の適用範囲外


さらに生活保護の場合、医療扶助制度があるので無料で医療機関を利用できますが、医療機関を指定されてしまう上、配布される医療券の範囲内に留められてしまいます。その範囲は国民健康保険とほぼ同範囲です。しかも医療扶助を受けると国民健康保険から脱退することになるので、指定外の医療機関を利用した際には10割負担となります。加えて医療機関が指定されることから、基本セカンドオピニオンの分も10割負担になるため、ケースワーカーとの相談が必要です。


ローンも組めない


医療ローンを利用するのはどうかとも考えたけれど、生活保護受給者は借り入れをすること自体禁止されているので、そもそも無理です。もしケースワーカーに黙ってローンを組んだことが発覚した場合は、その分の収入があるものとして計算されてしまうため、生活保護費の減額もしくは給付停止の措置をとられます。


結論、ある程度の収入がある職に就くしかない


結局のところ、医療扶助を受けなくて済む程度の賃金が得られる仕事に就くしかない。アルバイトでもパートでも派遣でもいいから、何かしら一定の賃金が得られないと難しい。

そもそも一定の収入がないとローンの審査が下りないし、頭金もないと月々の返済が大きくなり過ぎてしまうので、その後の生活が圧迫される。しかも生活保護受給者は制限を受けるので、自由に医療機関を選ぶこともできない。

結局、自活するしかないのだ。しかもその一歩を踏み出すことによって、いいトレーニングになり、慣れれば人並みの暮らしができるようにもなる。なので心身に問題がないのなら、勇気を出して就職するのが得策だろう。がんばれ!

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