ある程度年齢が高くなると、老後の生活が気になってくると思います。その中で年金がいくらもらえるか懸念する人も多いかと思います。と思いつつも実際には老後の生活について具体的な対策を何も取っておらず、ただただ年金を当てにしているという人がほとんどではないでしょうか?
ですが、ハッキリ言います。年金だけで老後の生活を全て賄うのは「不可能」です。
ここではその理由と対策を説明します。
年金だけでは生活できない理由
巷のお年寄りへのインタビューでもよく言われるように、年金だけでは暮らせないという話はよく聞きます。そこで政府が悪い、政治家が悪い、行政が悪いと言って簡単に片づけるのは、思考の放棄に他なりません。将来のためにもちゃんと考えないと、困るのは自分です。なのでまずその前段階として、年金では生活できない原因を解析します。
①現金積立方式ゆえに物価上昇に適応できない
まず最も理解しておかなければならないのは、年金は「現金」積立であるということです。なので10万円積み立てたとして、それが10年後であろうが20年後であろうが現金である以上、額面の数字で価値が決まるので当たり前ですが10万円で変わりません。
しかし歴史を見ると物の価格(物価)は総じて上がります。例えば昭和31年の物価を見ると、
しかし歴史を見ると物の価格(物価)は総じて上がります。例えば昭和31年の物価を見ると、
キャベツ1玉 20円
ラーメン1杯 40円
タクシー初乗り 120円
都内地下鉄初乗り 20円
床屋散髪代 100円
などとなっています。現在はどうでしょう?大体5倍~10倍くらいの物価になっているのではないでしょうか?ラーメンに至っては20倍にもなっています。
ただ、年金というのは現役の時代の収入を基にして納付額を決定しているので、初任給1万円の時代(昭和30年代後半)に納めた年金なんて雀の泪ほどしかなく、現金である以上額面通りの価値しかないため、40年後物価が5倍10倍にもなって足らなくなるのは必然です。
かといって将来の物価上昇にあわせて納付額を増額すると、今の生活が成り立たなくなるのでそれもできない。ここにパラドックスがあります。
都内地下鉄初乗り 20円
床屋散髪代 100円
などとなっています。現在はどうでしょう?大体5倍~10倍くらいの物価になっているのではないでしょうか?ラーメンに至っては20倍にもなっています。
ただ、年金というのは現役の時代の収入を基にして納付額を決定しているので、初任給1万円の時代(昭和30年代後半)に納めた年金なんて雀の泪ほどしかなく、現金である以上額面通りの価値しかないため、40年後物価が5倍10倍にもなって足らなくなるのは必然です。
かといって将来の物価上昇にあわせて納付額を増額すると、今の生活が成り立たなくなるのでそれもできない。ここにパラドックスがあります。
②上記のパラドックスを無視して超過給付
にもかかわらず今の高齢者の生活を維持するために支払った額以上の給付を行っていたのも問題があります。年金機構の収支は赤字になるので、その赤字を埋めるためにより若い世代が納めたお金を流用しています。つまり自転車操業です。
それでも人口が増えていた時代はまだ問題が矮小化できていましたが、人口減少が始まると穴埋めが追いつかなくなり、ついには給付縮小へ舵を切らざるを得なくなっています。
それでも人口が増えていた時代はまだ問題が矮小化できていましたが、人口減少が始まると穴埋めが追いつかなくなり、ついには給付縮小へ舵を切らざるを得なくなっています。
③少子高齢化
②でも触れましたが、少子化に伴う人口減少で加入者が減っていく問題もあります。そのために年金機構に入ってくるお金が減るので、まかなえなくなってきます。
その一方で日本の平均寿命が延びる一方なので、その分支給期間も伸びて給付額が増えているのも支出超過におちいっています。
④将来性の矮小化するバイアス
さらにこれらとは別に心理的な問題もはらんでいます。人間は直近の心配事には関心を持つが、遠くの心配事は小さく見積もるというバイアスがあります。そのため今起きている物事には対処するものの、将来のための対策は何もとらないことで40年後にしっぺ返しをくらって路頭に迷うことになります。そして、このことを指摘する人がかなり少ないのも問題です。
最大の原因は人間の度を超えた願望
ここまで見てきましたが、果たしてこれは政府のせいでしょうか?よく考えてみてください。これらを望んだのは誰ですか?国民一人一人ですよね。物価が上がったのは国民が昇給を望んだからだし、払えもしないのに納めた額以上の給付を望んだのも国民で、死ぬのを恐れて延命を望んだのも国民で、子供を産まないことを選んだのも国民。
つまり本当は自分自身が犯したことなのに、政府や行政など他者へ責任を擦り付けているという訳です。そのような国民の愚かな願望が年金に対する過度の期待と、行き詰まりをもたらしているのです。
つまり本当は自分自身が犯したことなのに、政府や行政など他者へ責任を擦り付けているという訳です。そのような国民の愚かな願望が年金に対する過度の期待と、行き詰まりをもたらしているのです。
年金に頼らずに資金を得るには
以上のことから年金に頼るというのはいかに幻想であり、現実逃避なのかがわかります。では将来生活に困らないようにするには、今何をしなければならないのでしょうか?
①家計の見直し
まず取り組むべきは、家計の見直しでしょう。無駄遣いしていないか、使ってないものにお金を払っていないかチェックします。マーケティング&ブランディングディレクターである橋本之克氏の著書で「9割の買い物は不要である」という本があるように、結構探すと無駄な出費があるものです。
しかし多くの人は無駄遣いをしたということを認めるとネガティブな感情やストレスにさいなまれるので、買い物を正当化して見てみぬふりをしてしまします。これはストレスを避けるための防衛反応で、人間の本能でもあります。ただ、これに流されてしまうと出費が止まらなくなるので、いち早く気づいてストップをかけなければなりません。そのためにしっかり記録をつけて、見直しする必要があります。
②余剰金を投資
家計を見直し、無駄な出費をカットすると余剰金が生まれます。この余剰金を貯金するというのはありがちな手段ですが、賢いとは言えません。なぜかというと、貯めてるだけで増えていないから。これでは年金と変わらないので、物価上昇に対応できていません。そこで採るべき手段は、「投資」です。
投資対象である金融商品は、物価上昇に合わせて価格が上がります。といいうのも、金融商品は価値が一定でなく、相場で決まるからです。そして相場は需給バランスで決まるので、物価が上がれば連動して金融商品の価格も上がります。結果、資産が膨らむ速度が早まるので、40年後も同じ生活水準を維持できます。
投資対象である金融商品は、物価上昇に合わせて価格が上がります。といいうのも、金融商品は価値が一定でなく、相場で決まるからです。そして相場は需給バランスで決まるので、物価が上がれば連動して金融商品の価格も上がります。結果、資産が膨らむ速度が早まるので、40年後も同じ生活水準を維持できます。
まとめ
年金では暮らせない理由は挙げればキリがないですが、それを穴埋めする方法は意外とシンプルで、「家計の見直し」と「投資」の2点だけで十分と考えます。裏を返せばこれ以外にないということでもあるので、やらない手はないです。しかもこのどちらの手法も時間を味方につける方法なので、遅くなればなるほど効果が低いです。なので思い立ったが吉日で、手遅れにならない内に早速始めましょう。
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