2025年2月25日火曜日

トランスジェンダーのスポーツ(身長)

 近年トランスジェンダーの公式スポーツ参加が問題となっている。参加することに意義があるとの考えから強行したいリベラルと、公式記録の計測とフェアプレイ精神から拒否したい女子アスリートの間で揉めている。

 そもそもスポーツはフェアプレーや公平性が担保されるのを前提としてしているため(不公平な条件でプレイするのは卑怯で、誰も腹が立つから)、これが損なわれるのは大会開催の意義に関わる問題である。

 ここで取りざたされるのは男→女へのトランスジェンダー(MTF)の身体である。元男性ということで生物学的には男性の身体を持ち、成人の全てのMTFは男性型の二次性徴を遂げている。当然一旦は100%男性化を果たしている訳で、性別移行をした後もそのアドバンテージが残るのか検証したい。その1回目として今回は身長について取り上げる。

ホルモンを投与しても身長は低くならない

 その前にトランスジェンダーの場合、ホルモン投与をするのが一般的である。特にスポーツの場合、大会規定により男性ホルモンの量に制限があるため、トランスジェンダーのホルモン投与は必須である。これにより大なり小なり身体に影響が出る。例えば乳房の発達や皮下脂肪の増量などがそうだ(年齢差や個人差がある)。

 しかし変わらないものも多数ある。その最たるものが身長だ。身長が伸びるのは成長ホルモンだけでなく、男性ホルモンの影響も大きい。相対的に女性の身長が低いのは精巣が無く、男性ホルモンの分泌量が格段に少ないからだ。

 しかも第二次性徴は遺伝子と細胞の分裂回数が一定数を越えることで終了することがわかっているので、その後女性が男性ホルモンを打っても背は伸びず、追い付くことはできない。反対に一度身長が伸びてしまうと骨の硬さから高齢になるまで縮まないので、背の高さは維持される。女性ホルモンを投与したところで低くなることは無い。

 ということは、MTFトランスジェンダーのほうが身長が高いので有利である可能性が見えてくる。

男女での平均身長の比較

 大体、男女でどれほど身長は違うものだろうか?文部科学省の学校保健統計調査によると、男性は171.5cm、女性は157.5cmとのことで、14cm差がある。世界で最も身長が高いオランダでは、男性が184cm、女性が171cmで、オランダをもってしても女性は日本人男性よりも低い。さらに同国男性と13cm差があることから日本のケースと同程度で生物学的な法則性が見られる故、男女の身長差は個体差とは言えない。

身長差が有利に働く競技

 これを挙げたらキリがないとは思う。バレーボール、バスケットボール、走り高跳び、サッカーなんかは多くの人が思い浮かぶだろう。バレーボールはスパイクやブロックの高さが勝敗を分けるし、バスケットボールは身長が高いとダンクシュートができるので確実に得点できる。身長が高いと相対的に足も長くなるから高飛びも楽になるし、サッカーはヘディングの都合上背の高さは重要である。

 ただここでは別の切り口を持って、他の競技でも意外に身長が有利に働く事例を紹介する。

①競泳

 まず考えるのは競泳である。近年MTFのリア・トーマス選手に関して揉めに揉めている競技だが、この競泳も高身長ほど有利である。

 理由の一つは、後ろにかく水の量が多い分速くなるからだ。高身長であればそれに応じて手足も長くなるから、かける水の量が増える。元男性であるがゆえに高身長というだけで努力せずかく水が増えるのだから不公平である。

 さらに実質的な泳ぐ距離が、高身長ほど短くなるのもある。スタート時は水上にあって、そこからジャンプして飛び込むことから、背が高いとより遠くへ飛べる。当然水中より空中のほうが抵抗が少なく速度が速いので、より遠くへ飛べた方が有利である。さらにターンとゴールの際には腕と脚の長さ分リーチがあるので、泳ぐ距離を減らせるのだ。

②陸上(長距離)

 長距離種目はスタミナの問題だから関係ないと言い張るのもいそうだが、近年は様相が変化しているので別な理由で考え物だ。というのも、特にマラソンはここ近年高速化が進んでいて、世界記録の更新が続いている。その大きな理由が黒人選手特有の走行スタイルだ。

 かつては日本や南米など比較的低身長の国の選手がマラソン界をリードしていた。その背の低さをカバーする走り方がピッチ走法だった。足の動きをあえて小さくすることで疲れにくくし、歩数を増やすことで勝負する方法だ。

 しかし近年はアフリカの黒人選手が台頭するようになった。その彼らの走り方がストライド走法だ。脚を大きく蹴り出し、歩幅を広げることでスピードアップを図る方法だ。この方法は一般的には疲れやすいと言われるが、それを覆す活躍ぶりである。

 しかもこの方法は脚の長い選手に有利に働く。背の高さと脚の長さは比例するので、男性も有利に働くのは必然だ。元男性選手がストライド走法を取り入れたら、高速化するのは明らかである。

結局、努力や個体差以外で得たもので戦うのは良くない

 結論これに尽きるのではないかと思う。一生懸命努力したにもかかわらず、生来の物で勝負されたらたまったものではない。アンフェアな条件を押し付けられたら、怒るのも当然だ。LGBT側のモラルの無さが問われている。

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