2025年4月1日火曜日

社会運動・リベラルがいつも失敗する理由

 ここ近年SNSやニュース、評論などを見ていて、DEI、LGBT、WOKE、BLMなど、様々なリベラル派社会運動が後退・縮小・撤廃を余儀なくさせられている。全ての人を受け入れるという大層なお題目に反して、多くの人から反目され、退場させられてしまっている。なぜこのような運動は、ことごとく拒絶されたり頓挫したりして失敗に終わるのだろうか?こうも同様に失敗するということは、何か共通する理由があるのだろう。

リベラル運動の建前

 失敗理由を探る前に、ここ近年のリベラル運動とはどういうものか、概要を説明する。多様性(diversity)、公平性(equity)、包括性(inclusion)の理念の下、性的マイノリティや異人種、異宗教などを一つのコミュニティで共存させるのを理想とする考えで、非常に理想主義的で、「こうでなければならない」とか「こうあるべきだ」というべき思考や完璧主義の性格が強い。

 ただここ最近はこの中の公平性の部分が平等性(equality)に置き換わっていることが多い。特にこれまでは機会の平等に視点を置いていたのが、結果の平等を欲するようになった。これにより、建前と活動実態に乖離が生じていることが否めない。

失敗する理由

 ではここから失敗する理由について挙げていく。ここには彼らならではの失敗理由が多く含まれるので注目だ。

①なんでも「限界」があるということがわかっていない

 その一つがお金と人員の計算ができないことだ。正確には、彼らの願望は採算を一切度外視しているということ。国民だけでなく移民や外国人にも手厚い福祉を望んでいたり、どのようなマイノリティにも懇切丁寧なサポートを要求している。そのためには無限にお金と人員確保が必要となるが、いずれも有限であり遅かれ早かれ尽きてしまう。

 殊、福祉に関しては膨大なお金がかかる。しかも福祉は製造業でもなければ金融業でもなく逆に消費しか生まない分野なので、お金が減る一方で循環しないから経済は縮小して、余計に資金繰りが悪化する。そこに無制限にお金を要求していてはいくらお金があっても足らず、いつかはショートして破綻せざるを得ない。

 特にここ近年の日本は少子高齢化で年々人員確保が困難になるのは必至である。どんなに給与を上げたとしても、求職者自体が減っていくのだから人員は枯渇する。彼らの言う通りのサービスを提供しようものなら職場のブラック化をせざるを得なくなり、退職ドミノが発生して(既に起こっている業種もある)人員面での需要と供給のバランスが崩壊してしまい、むしろ見殺しになる人が増えてしまう。

 つまり彼らの望むことは、無限にお金と人が生まれる非現実的な世界でないと成り立たないので、努力に関係なく最初から実現不可能なのだ。

②多様性によるカオス化とジレンマ

 彼らの重要な主義の一つに多様性があるが、正確には「全て」を内包しようとしている。この「全て」というのが曲者で、人となりを考慮せず無制限に加えているから内実は玉石混交である。その中には決して褒められたものではない人物を含んでおり、評判を落とす原因になっている。

 しかも主義に反するためそれらの人を切り捨てることができず、むしろ重点的に保護すべしとしている。それならそれできっちり処断して監督してくれなければ困るのだが、弱者を盾にされると事なかれ主義に逃げて、腫れ物に触る対応をし、断罪できず野放しにしてしまう。その他大勢からしたら、はなはだ迷惑且つ無責任でしかない。

③主義の押し付け

 本来主義にしてもポリシーにしても、自分個人の問題なので他人には関係なく、自分の中だけに留めておくものなのだが、彼らはこれを他人にも押し付ける。他人も自分とお内容に考えて従ってほしい、そうしてくれないと不安だからと。

 ここに彼らの矛盾があって、主義というのは自分がどうありたいか問うものなので、自分の価値観の問題であって他人は無関係で必要ないのに、勝手に介在させてしまって勝手に不安になっている。さらに危害が及ばない限り他人がどうしようと他人の勝手にもかかわらず、不安解消のためだけに他人の思考や行動をコントロールしようとしていて、他人の自由を奪っている。

 これは相手からしたら束縛でしかなく嫌悪するのは当然だし、リベラルが主張する個人の自由とは真逆の行為だ。内容如何にかかわらず、そのような押し付ける態度や行動をとられたら、人は離れたくなるものだ。

④テイカー気質

 彼らの主張の共通点として、何かの要求に終始しているというのが挙げられる。つまり常に受け身で、もらうことばかり考えていて、お返しがない。ギブアンドテイクが成り立たないテイカー(クレクレ星人とも言うが)であるということだ。しかしそんな関係は平等・公平を欠くので、いつか相手から断たれる。当然あげてばかりの人からしたら損でしかないので、自分を守るために手を切らざるを得ないからだ。

⑤耳の痛い話から逃げる

 中にはそんな彼らに対して忠告する人もいるだろうが、まず耳を貸さない。彼らにとって耳の痛い話だからだ。そこに耳を傾けることは自分の過ちを認めたり、嫌いな自分像を見たりする必要があるので未熟な彼らにとって恐怖でしかなく、受け入れがたいからだ。

 すると周囲の人は彼らの不誠実な態度に幻滅するから、善意ある人まで呆れさせて離れていってしまう。

失敗の否認→責任転嫁→嫌われる

 その結果社会的孤立がどんどん加速し、望んだ方向とは真逆に進んでしまい、ついには
失敗する。しかし前述の耳の痛い話から背ける気質があるので、それも認めようとしない。なので彼らはどこにやり場を求めるかと言ったら、またしても他人や社会や政治なのだ。つまり責任転嫁を永遠に繰り返すのだ。

 多くの人はそうだろうが、責任転嫁されたら腹が立つ。当然彼らのファンになるどころか敵とみなすだろう。こうやって彼らはまた今日も懲りずに失敗から逃げ、嫌う人を順調に自分の手で増やしていくのだ。

0 件のコメント:

コメントを投稿