2025年9月13日土曜日

格差拡大は富裕層のせいではなく、庶民に原因がある

 ここ最近、格差拡大をしきりに叩くコメントをよく見る。内容としては、富裕層ばかり富を独占してズルいとか、富裕層ばかりお金が増えて不公平だとか、庶民ばかり貧しい思いをさせられているとか、おおよそこんなところだろう。どこかからコピペでもしたのかと思うくらいどれもありがちで、妬みや憎悪ばかりである。富裕層は庶民のことなど何もわかっちゃいないなんてのもよく聞くものだ。

 しかし、富裕層からしたらわかってないのは庶民のほうでしかない。彼らはお金の増やし方を知っているし、制度の活用方法も知っている。富裕層はそれらを活用しているだけで、謀をしているわけではない(謀ことをしなくても、いくらでもお金を増やす方法があることを知っているから)。

 大体、富裕層が庶民の貧しい暮らしを知ったところで、何の知識にもならない。全く無駄な主張である。こういう何の利益も生まない無駄な主張に労力をかけるからダメなんだと、見透かしている。

 では、なぜ格差拡大は富裕層の意図したことではないのか。どこに庶民の落ち度があるのかを考えていく。


 富裕層は投資で大半の資産を増やしている


 まず庶民が知っておかなければならないのは、富裕層というのはほぼ例外なく金融商品を購入し、評価額が上がることで資産を増やしている。というのも、現金収入だけで資産を作った人というのはまず存在しない。なぜなら、(従業員の給与よりは高いものの)会社からもらう報酬などの現金収入なんかたかが知れているし、銀行の金利が低いので貯蓄しているだけではほぼ単利同様で、横ばいにしかならないからだ。

 そこで年利の高いものを探して行きつくのが金融商品で、これを運用することで複利がついて資産が増えるのだ。著名な資産家なんかも、会社から支払われる報酬より、株(自社株を含む)の運用で増大した資産の額のほうが圧倒的に高い。ウォーレン・バフェット、ジム・ロジャース、ジェフ・ベゾス、イーロン・マスク、ビル・ゲイツ、孫正義など、枚挙にいとまがない。つまり、彼らの資産は報酬から来ているものは微々たるもので、保有している金融商品の評価額があがったことで増えたのだ。


 相場や金融市場は富裕層ですら操れない


 ただ、金融商品というのは相場によって価格が決定する。無数の投資家がリアルタイムで入札をするので、その価格は常に変動する。ウォーレン・バフェット氏のような大口の投資家ですら、全世界の株数と比較したら保有比率など微々たるもので、価格を操作できる力なんぞ到底ない。せいぜい指折り数えられる程度の会社を牛耳れるだけで、金融市場そのものを動かせる人など存在しない。金融市場にも数多くの有象無象が参入しているので、コントロールしきれないのだ。

 このことから、富裕層はその金融システムに乗っているだけで自らの思惑を反映させようがないので、意図的にお金を独占することはできない。つまり、金融商品を持っていたら、「勝手に」評価額が上がって増えただけなのだ。


 金融市場へ参入しない限り儲けは、0¥


 ただし、投資で利益を出すためには、まず購入しないことには始まらない。ウォーレン・バフェット氏の言う投資で成功する秘訣として、「市場から退場しないこと」というのがある。何かしらの金融商品を買って持ち続けない限り、利益は出ないよと言っているのである。つまり参加しないことには始まらないのだ。


 大半の人は参加しないがゆえに、置いてかれている


 しかし、大半の人は臆して手を出さない。投資なんて詐欺だことの、失敗するに決まっているだことの言って、やろうとはしない。その間にも金融商品の評価額は右肩上がりで増えていき、資産家との差は増々開いてしまう。それを自分の意思で選んでいるのは資産家と庶民どちらかといったら、間違いなく庶民のほうだ。わざわざ参入しないという選択をしているからだ。

 このことから格差拡大は、庶民自ら原因を作っているのである。貧困におちいりたくない、老後貧しくなりたくない、もっとましな生活をしたいというなら、現代においては投資へ参入する以外に手はない。苦しい生活は、決断できなかった自分への報いなのだと気付かなければ何も変わらない。




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