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2026年7月17日金曜日

健常者と発達障害者の記憶のしかたの違い

 勘が鋭い人および健常者のグループと、勘が鈍い人および発達障害者では、結構情報のやり取りで齟齬が生まれやすい。そこから対人トラブルも発生しやすく、かなり問題になりやすい。その原因のひとつとして、記憶のしかた(記憶モデル)の違いが関係している。その記憶のしかたの違いについて、解説する。


 仕分け方式 or 紐づけ方式


 普段何気なく過ごしていると、普段やっている自分の癖には気づきにくく、それが世間の当たり前だと誤解しがちだ。記憶のしかたもそうで、実は人によって方式が違うということに気づいている人は少ない。大きく分けると2方式あり、健常者と障害者でどの方式をとるか大きな傾向の違いが見られる。

 まずは、下のイメージ図をご覧いただきたい。健常者と障害者の記憶のしかたについて、青果店の品目をモデルにイメージ図にしたものだ。


 【健常者】
 健常者の場合、カテゴリー別に仕分けているのがわかる。まず大枠の青果という括りを作って、その中に野菜と果物で仕分けている。さらに、それぞれに果実に分類される品目があるので、それはそれで別の枠で括って仕分けている。こうすることによって記憶の整理整頓をし、ムダを省いて効率化を図っている。

 その結果、脳のリソースを圧縮して最小限に抑えるから余裕が生まれて、より多くの情報を取り込むことができる。加えてカテゴリー分けされているから、関連している品目も一目瞭然なので、関連するものを一瞬で連想できる。

 【障害者】
 障害者の場合は、なぜか個別の品目から入ろうとする。個別の品目に紐づけする形で情報を追加するという方式をとりたがる傾向にある。だから品目ごとにいちいち果物なのか野菜なのか、果実なのかそうでないのかという情報を覚えようとする。これではダブりが生じて暗記する量がムダに増えてしまうため、脳のリソースを多く消耗してしまう。結果、記憶の限界を迎えやすく、物覚えが悪くなってしまう。

 さらに悪いのが、それぞれの品目ごとに情報が分離しているため、関連性に気づくことができず、連想できないという問題も生じる。これが勘の鈍さとして現れているのだ。明らかに効率の悪い覚え方である。

 これを電車の編成で考えると、いかに効率悪いかがわかる。新青森行の新幹線が、まず大宮で新潟行と分割して、福島で新庄行と分割し、盛岡で秋田行と分割と、一編成の列車がそれぞれの駅で毎回分割していたら、効率悪くて到着時間が遅れてしまう。

 それだったら行先ごとに編成を組んでしまって、お客さんをまとめて1カ所へ運んでしまえば効率がいい。先頭車を減らし、中間車を増やせるから、同じ車両数でキャパシティーも増やせる。


 マクロ視点 or ミクロ視点


 ところで、なぜこのように記憶方式の差が生じるのだろうか?これはひとえに、視点の違いからきている。

 健常者は、まず全体を見るところから入るので、マクロ視点優位の特徴がある。そこから段々カテゴリーを絞っているので情報の整理整頓がしやすく、カテゴリーごとにまとめて覚えることができる。

 反対に障害者はいきなり個別のものに目がいっている。これはミクロ視点だ。そこから情報を枝分かれさせながら、場当たり的に付け足しで覚えていくので、整理整頓がされない。記憶がカテゴリー分けされておらず、個別に覚えるから共通項に気づかない。この特徴があるから、応用が利かなかったり、前と同じパターンであることに気づかなかったりする。そしてこれが、
精神科医が障害者を見極める指標の一つになっている。

 さらにこれは、学校の成績にも反映される。それはそうだろう。記憶の整理整頓をせず、共通項がわからず、非効率な方法を採っているとそれだけ学習スピードが遅くなるし、理解度も低くなるから、成績は上がらない。それどころか、基礎的な学習もおぼつかなくて落ちこぼれてしまうだろう。


 障害者はマクロ視点や記憶の整頓ができるか?


 では、障害者が健常者のようにマクロ視点や記憶の整頓ができるだろうか?正直にいうと、かなり難しいだろう。というのも、長年染みついた癖を直すのには根気がいるし、障害者は厄介事を避けたがる傾向にあるのですぐにあきらめてしまうからだ。それに遺伝や先天性のケースも考えうるし、そもそもマクロ視点や記憶の整頓の概念を理解できなと、改善しようがないので難しい。

 それでもトレーニングや学習を通じて、どこかのタイミングで気づくことがないとは言えない。だからこそあきらめるのは尚早で、トレーニングや学習を続けることに意義がある。

 さらに言えば、今までやってこなかった思考法を続けることによって、これまで育ってこなかった脳の部位に新たな神経回路(ニューロン)が形成され強化される習性が、人体にはある。そして一旦神経回路が出来上がると、以降その能力が自然と負荷なくできるようになる。そこまでくれば問題は解決する。

 なので、今までやってきた慣れた方法にこだわらず、新たな方法に切り替えていくことが重要である。




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