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2026年10月30日金曜日

上層にしか見えない下層の欠点 《今の上層は昨日の下層》

 世の中には最下層から富裕層まで、さまざまな階層の人がいる。階層ごとに+αで必要な要素があり、それを達成することによって1つずつランクアップしていく。よくあるピラミッド構造をよじ登る、出世モデルである。

 だが、もう1つ最近よく見られるようになったピラミッド構造がある。それは、それぞれの階層が嘆くのを見ては、すぐ上の階層が足りないものや落ち度があるのを突っついている構造である。「アレをやらないから、このランクに入れないんだ」とか、「コレが足りないから、ここまで上がれないんだ」というように。しかし、上の層のいうアレやコレは、下の層には見えていなかったり、夢のまた夢に思えていたりする。

 そんなピラミッドについて見ていく。


 階層ごとに異なる必須要件


 さて、上のランクに上がるためには、今のランクで必要とされることをやっていたのではいけない。上のランクには上のランクの必須要件があり、これにトライしないといつまで経っても上がれない。しかし、多くの人間は自分の世界しか見えていないので、今自分がいるランクの当たり前が必須要件だと思っている。

 例えばこんな感じだ。


 最下層は人生を好転させるのは運や環境でしかないと思っているし、下層では労働でしかお金は得られないと思っている。中間層では進学次第で運命が決まるというのが当たり前なので、受験競争に必死だ。

 さらに興味深いのが、1つ上のランクの人間は下のランクの当たり前を見て、それだけではダメだということに気づいていることだ。下層の人間は運や環境のせいにしているだけでは腐るだけだと説教をする。中間層はただ働けばいいってもんじゃないということに気づいていて、学歴がものを言うと思っている。学歴だけでは頭打ちになるのをわかっているアッパーマス層は、スキルアップによって自分の市場価値を上げようとする。

 そしてもう1つ裏の構図があって、今の地位でくすぶっている人間は、上のランクの要件を満たすのは自分には無理だと思っていることだ。最下層にとって労働は向いていないと判断しているし、下層の自分の頭では進学は難しいと思っている。中間層は中間層で、スキルアップに費やす時間や体力はないと思っていて、各々実行に移すことはまれだ。

 このバイアスがあるから、それぞれの階層は固定化され、変化しないものという刷り込みがされてしまう。


 必ずランクアップするヤツはいる


 おかしなことに、どんな世界においても必ずランクアップする人間は一定数発生する。最初は低いランクにもかかわらず、そのランクの当たり前に染まることがなく駆け上がる人間。その人はいったい何者なのだろうか?

 これには2つのタイプがあると思う。1つは、将来に目を向け、危機感を持っているたいぷだ。今のままいった場合の末路が見えていて、このままではマズいというのが理解できている。そして何とかしようと自分でお尻に火をつけられる。そんな人がこのピラミッドを駆け上がっていることが多いと見える。

 しかも、この危機感がそんじょそこらの人が思う何となくといったボヤッとした感覚ではなく、かなりリアリティのある詳細な形で。そして先延ばしすればするほどことが悪化することもわかっていて、今動かないと手の施しようがなくなることも理解しているのではないだろうか?

 このタイプは地味で目立たないので、身近にいても気づかれにくい。本当は結構いるにもかかわらず、世間では滅多にいないと思われやすい。

 もう1つは野心家。今の低い地位に甘んじるのが我慢ならないというタイプで、何が何でものし上がりたいという欲望を持っている。欲望を燃料に自分を動かすので、行動力が並外れている。

 半面下層に対してコンプレックスが強いので、そこに落ちる恐怖心と卑下する気持ちとの葛藤を抱えている。そのためにアクションが大きく目立つし、ドラマや漫画、映画でもこういうタイプがよくキャスティングされるので、人によってはこういうヤツが成り上がりの典型だと思われやすい。

 ただ相当歪みがないとこういう人間性にはなりえないから実際には相当珍しいし、なかなか長続きはしない。なぜなら、このタイプの自己像は身の丈にあっておらず、かなり盛っているからだ。精神面での積み上げがないまま合わぬことをするので、空回りしやすい。スリルとリスクを勘違いしているし、自暴自棄にもおちいりやすいのだ。


 アドバイスと受け取るか?マウントととるか?


 話は逸れたが、ここで重要なのは上の人間からの指摘を自分がどうとるかだ。確かに自分の穴を突っつかれるのは気分のいいものではないし、置かれている状況によっては難易度や収益性は変わるだろう。

 しかしこれをアドバイスととって糧とするか、マウントととって嫌悪するかによって、運命は真逆になる。アドバイスととればそれが知識となり、ノウハウとなって、できることが増えていく。反対にマウントととれば、悪いもの、手を出したくないものとなって、どんどんとれる手段が減っていく。どちらが生きやすいだろうか?

 今のランクにい続けていると自分と同じ人間しか目に入らないから、現状が全てとなり、新しい知識は手に入らない。他の世界の人と触れ合わない限り足りないものが見えないから、今の自分の問題点も目に入らず現状維持を続けて、気づいたとには湯でガエルになっているなんて笑えない話になることが珍しくない。貧困問題や老後の生活資金問題なんかはその典型だ。

 一時の感情に流されるのではなく、ちゃんと落ち着いて将来のために人の話に耳を貸せる人間になりたいものだ。




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