成功するのは、「攻め」か「守り」か

人は何かを始めると、できるなら成功させたいと思うものです。これにあたって、上手いやり方、攻めに重点を置く人と、失敗しないこと、守りに重点を置く人がいます。どちらのほうが成功する確率が高いのか考えると、意見が二分されそうです。

でもその前に、それぞれのスタンスがわかっていないと語れないと思うので、一つ一つ見ていこうと思います。


攻めのスタンスについて


攻めの姿勢のメリット


そもそも攻めの姿勢とは、「このやり方ならば必ず成果を上げられる」とか「この方法ならば目標達成させられる」みたいに、プラスになるものに目を向けてそれを増やしていこうとするスタンスです。一獲千金をつかんだベンチャー企業の社長の成功談に憧れてマネする人に多そうですが、思いっきりの良さがうかがえ、行動力はあるように感じられます。なので、行動力が無いから確率0%という事態は避けられそうです。

さらに行動力がある分、様々なことに手を出しがちなので、下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる理論で、一つ一つの打率は低くても合算することで打率をアップさせられる効果はあります。その証拠にユーチューバーなりアフェリエイトなりLINEスタンプなり、ネットコンテンツ系のビジネスの場合、1000コンテンツ以上作らないとまとまった売り上げにならないとよく言われます。

というのも、どれが当たるかわからないので、多少趣向の違うものをたくさん用意してテストしてみる必要があるからです。もう一つは1000個もあればさすがにどれかはバズると思われるので、ある程度量で勝負せざるを得ないからです。

なので攻めの姿勢は、「成功率×行動量=成果」という式の行動量に注力する発想です。


攻めの姿勢のデメリット


その一方でデメリットもあります。攻めの姿勢に傾きすぎると、コスト増加や失敗による損失に目が行かなくなることが多いということです。事業をするにしても、社会運動をするにしても、コストや反発は否応なしに発生します。自分のやりたいことに注視し過ぎるあまりにこの点を見過ごすと、得られる物より失うもののほうが多いという事態になりかねません。結果、赤字経営を脱することができなくなったり、無駄な労力ばかり増えて頓挫してしまったりします。

さらに言えば、成功法というのは個人差が多く、運や時代、タイミングなどの外的要因も大きいため体系化できず、これをやれば必ず成功するとはとても言えないのも難しいところです。そもそもそれがわかっていれば、みんなやっているし、みんなが上手くいって幸福になっているはずなのに、現実はそうでないところを見ると確率論的に言って成功率は低いでしょう。

それに、世の中思ったように上手くいくことのほうが少ないので、穴を埋めるべくあれこれ迷走する、もしくは沽券にかかわると思って方針転換できないなどの事態に陥り、従業員や協力者が振り回されることになるでしょう。自転車操業にもなりかねませんし、そうなると嫌気がさして人が離れていき、ブラック化や負のスパイラルになるのも時間の問題です。

要は振れ幅が大きいためバランスを取りにくく、一度の失敗が命取りになる傾向があります。


守りのスタンスについて


守りの姿勢のメリット


守りの姿勢とは、失敗の数を極力減らし、損失を少なくするスタンスです。世界一の投資家として有名なウォーレン・バフェット氏も、成功する秘訣はとにかく失敗しないことと明言しています。何かを始めると上手くいかないことが度々出てきますが、元々自重しながら細々と始めていれば損失も少ないので、リカバリーが効き、耐え忍ぶことができます。

さらに守りの姿勢は一気にのし上がるということはない代わりに、コツコツ実績を積み重ねていくので時間はかかるものの、雪だるま式に膨れ上がるという特徴があります。それは上下のブレが少なく、安定していているからです。そのため予測や計画が立てやすい上、失敗しそうな状態をしらみつぶしに無くしていくため、相対的に成功率が高まります。

それと失敗した原因は突き止めることができるので、答えを見出しやすく、改善できるのも利点です。成功する方法通りやっても上手くいくとは限りませんが、失敗しない方法はハッキリしている分、確実に成果が出ます。

つまり守りの姿勢は、「成功率-(失敗率-改善)=成果」という収支のバランスと確実性を重視し、時間を用いる手法です。


守りの姿勢のデメリット


守りの姿勢のデメリットと言えば、時間をかけないと成果が出ないという点です。コツコツやるのが苦手な人にとっては、あまりにも地味過ぎて、すぐに飽きてしまい挫折してしまうでしょう。なので、忍耐力が必要になります。

それとリスクが少ない分、最初の内は儲けが少ないのも特徴です。失敗した時のために余力を残すため、初めから全力投球しない分、得られる物が少ないのです。逆に言えば、余力を残すことで、安全を買っているとも言えます。

あとは事前に勉強や準備、リサーチをする場合があり、スタートが遅れがちということでしょうか。無勉強でやるよりは増しですが、そのために出足が遅れるリスクはあります。ことによってはスタートダッシュが成否を分ける場合があるため、これは不利になるでしょう。ただし相手の出方をうかがうために、あえて遅らせたのなら策士です。実際、二番煎じが業界一位になった例は多数あるので。


結局どちらが有利なのか


ここで、双方のメリット・デメリットを表にまとめてみます。

攻めの姿勢 守りの姿勢
メリット ・初動が早い
・数撃ちゃ当たる戦法
・短期間で成果が出る可能性あり
・当たれば大きい
・派手で人目を惹きやすい
・継続的に成果が出る
・損失やコストが小さい
・逆境に強い
・失敗してもリカバリーができる
・柔軟性がある
・芯がぶれない
・省力的
・効率的
・計画的
・予測が立つ
デメリット ・コストがかかる
・失敗した時の損失が大きい
・柔軟性がない
・芯がぶれる
・当たっても一時的で長続きしない
・収支のバランスをとりずらい
・体力勝負
・非効率
・運任せ
・予測が立たない
・初動が遅れがち
・時間がかかる
・地道で忍耐力が必要
・勉強やリサーチが必要
・一回当たりの成果が小さい
・地味で面白みに欠ける
・目立たない

といったところでしょうか。どちらにもメリット、デメリットありますが、ビジネスの世界だと概ね守りの姿勢のほうが成功しやすいと言われています。その理由は、継続性があるからです。再起不能になったら終わりなので、成果が小さくても継続して得られるほうが重要だからです。

さらに守りのほうは力の配分を考慮しているので、攻めの要素も多少は持っているのに対して、攻めを重視する人は全振れする場合が多く、攻められたときや失敗したときに対処がままならないからです。

とはいえ、絶好の好機が来た時には攻めの姿勢は効果が大きいので、TPOに合わせて双方を上手く使えることが理想と言えます。

なのでどちらが有利かと言うよりも、それを見極める目と知識と経験が一番重要で、守りの姿勢をベースにしつつも、ここぞという時に攻めに転じられる姿勢が大事ではないでしょうか。

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