論拠のより所、肩書きか事象か

何かを説明する際、説得力を持たせるために、何を論拠とするかは重要だと思う。全く論拠がないとただの空想と思われてしまうので。

ただ、この論拠のより所が大きく分けると、2パターンあるので考えてみる。

肩書きのパターン

このパターンは、誰が言ったかを論拠とする。○○大学の教授とか○○社のCEOとかの名前を出してくるのがそうだ。このパターンの根本にあるのは「権威」だ。虎の威を借りる狐ではないが、社会的地位がある人の名前や肩書きを出すことによって、聞く人に上下関係を意識させ、立場上反論できにくくする。権威主義者やカリスマに憧れる人には効果があるだろう。

問題は、話と全く関係ないことを論拠とするところだ。だから、話の内容を吟味せず、特定の人の話を鵜呑みにすることになる。そしてその人が間違ったことを言っていたとしても疑わないから、簡単にだまされる。詐欺に引っかかりやすい人のパターンだ。

もう一つ問題点は、聞き手が論拠とする人物のことを知らなければ、「誰それ?」で終わってしまうことだ。だから、特定の人しか知らないような人物を挙げたら、不発で終わる公算は高い。

理屈のパターン

対してこのパターンは、実証実験や調査結果、統計など事実をもとに、ロジックを組み立てる方式だ。筋が通ているかが重要なので、矛盾があってはならないし、他人の肩書きは本文とは関係ないのでスルーされる。事実や数値といった人間には変えようがないものを論拠とすることで、ぐうの音も出ないようにするやり方だ。

問題は、聞き手がモラルと教養がないと通じないことだ。いくら実験で証明したとしても、聞き手のモラルが無ければ無視されるし、教養が無ければ理解できない。肩書きと比べると、聞き手の人間性を問われる。

使い分けが大事

結局どちらのパターンも一長一短がある。TPOによって使い分けることで肝要といえる。ただ、理屈を理解できる人も教養があるだけに、権威ある方を尊敬することができるから、どちらのパターンも活用することができるだろう。

そうなると問題は、教養がない人だ。権威でしか判断しないから、話の内容が頭に入っていない。そうなると、落ちこぼれたり、とらぶるに巻き込まれたりするのは必至だろう。理屈がわからないと相手の言ってることが真実かどうか見極められないから、ロジカルに考える力は身に着けたほうがいい。

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