2025年3月21日金曜日

壊滅的に勉強しない日本人

 人間生きていくためには、たくさんのことを学ぶ必要がある。学校での勉強の他、免許や資格を得る際にも学科試験のために学習が必要だし、転職や昇進をする際にもスキルアップが望まれるので学習が必要になる。そして、その学習量に応じてポジションや収入に格差が生まれるので、学習しないのは得策ではない。

 しかし残念なことに今現在、日本の成人の学習時間は世界と比べると最低レベルにあることが判明した。そこで今回は日本人の学習時間について取り上げる。

日本の社会人の平均学習時間はたったの13分

 まず見ていきたいのは、成人の1日平均学習時間だが総務省統計局の調べで2022年の段階では、なんとたったの13分だった。これではテキストをちょっとめくって目を通したくらいの時間でしかなく、勉強した内に入らないのは子供でもわかるだろう。

 それどころか2016年はたったの6分だった。一応最近は2倍に伸びてはいるので、改善はしている。恐らく元岸田首相をはじめとしてリスキリングが叫ばれるようになったために、一部の人が意識転換をしたのもあるだろう。とはいえこの時間の短さは尋常ではなく、実際はわずかな層が学習時間を割いていて、多くの人が無勉強であると言える。

 その証拠にパーソル総合研究所の調査によると、特に何もしていない人の割合が世界平均では18%だったのに対し、日本は52.6%と過半数を超えてしまっているのだ。さらにアジア・欧米の18カ国・地域(日本、中国、韓国、台湾、香港、タイ、フィリピン、インドネシア、マレーシア、シンガポール、ベトナム、インド、オーストラリア、アメリカ、ドイツ、フランス、スウェーデン)を対象とした同研究所の調査では、社外学習や自己啓発活動を行っている人の割合が日本は最下位だった。

 このことから外国の人々は自分の人生に危機感を持って少しでもスキルアップをして生活をよくしようと考えていることがうかがえるが、日本人の多くが自分の人生に危機感を持っておらず、スキルを磨いていないことが見えてくる。これでは諸外国に追い抜かれ没落していくのもわかるし、果たして日本人のどこが真面目で勤勉だというのか問いたくなる。

大学生の学習時間も最少レベル

 もう一つ問題なのが、大学生の学習時間だ。大学では専門分野を学習したり、資格を得たりできるため、就職に最もコミットメントした学習ができる期間だ。にもかかわらず日本の大学生の平均学習時間もさほど多くはない。下のグラフをご覧いただきたい。


 これは一週間当たりの大学生の学習時間ごとにカテゴリー分けして人口比率を算出したものだ。アメリカは6~10時間と11~15時間の層が割と同じくらいいるので、1日平均1~2時間くらいキチンと勉強していることがわかる。その一方で日本は1~5時間の層が過半数を占めており、1日平均すると多くの学生が1時間に達していないことがわかる。

 それどころか全く勉強しない0時間の学生はアメリカではほぼ皆無なのに対して、日本はなんと1割もいるのだ。いかに日本の成人の学習時間が少ないかわかるだろう。

怠惰で現状維持に甘んじていては未来はない

 だが世の中は刻一刻と変化している。特にここ近年はグローバル化が進み、日本も世界競争の中で生き残りを図らなければならなくなった。そんな中で現状維持を続けていては、諸外国の経済成長に伴う物価高のあおりを受けて、生活費が家計を圧迫するのは当然の成り行きである。

 しかも現在の物価高が好景気に伴う利益率アップのものではなく、コスト高によるスタグフレーションによるものなので利益をあまり出しておらず、企業に賃上げを求めたところでない袖は振れぬから応じられないのが現状だ。

 なので副業や不労収入といった別の収入減を持っていないと、これからの日本での生活は厳しい。そしてその原資となるのが成人してからの学習なので、是非ともわずかな時間でも学習に費やして、貧困という失敗をしないでほしい。



0 件のコメント:

コメントを投稿