2025年5月3日土曜日

「経験が全て」は頭打ちになる

 世の中には他人のアドバイスを一切受け付けず、一向に我流や経験しか重んじない人がいる。好ましくない結果や損失を招いていても、頑なに方法を変えようとせず、さらに事態を悪化させてしまう。それは本人にとっても決して望ましいことではないはずなのに、それでも必死に我流を通そうとする。

 そんな態度では当然人が離れるから、どんどん協力や支援が得られなくなる。あまりの融通の利かなさに最後には孤立して、万事休するのがオチだ。

 大体、我流にしても経験にしても、様々な限界があることに本人は気づいていない、もしくはそれすら受け入れようとしない。なぜ経験のみに頼ると限界を迎えるのか?それによってどんな弊害が起こるのかを紹介する。

①時間がかかり、経験できることの数に限界がある

 当たり前のことだが、人間は永遠には生きられない。必ず寿命があるし、それどころか年を取ると体にガタが来るから、もっと早い段階でリタイアをせざるを得なくなる。20歳前後で社会へ出て、60代で引退するところを見ると、経験を積める期間は半世紀もない。

 しかも、経験して身をもって確認し、そこから何のためらいもなく自然にできるようになるまでには、かなりの時間と労力がかかる。これを毎回やっていたら、一生のうちにマスターできることなんて指折り数えきれるほどしかない。

②選択肢や手段が限られて、臨機応変にできなくなる

 ①の理由で、当然できることが少なくなってしまうので、いかなる場面でも自分が採れる選択肢や手段が限られてしまい、臨機応変に動けなくなる。そりゃそうだ、引き出しが少なすぎて、事態に相応しい解決手段を持っていないのだから。

 人生において常に必要となるのが臨機応変さなのだが、そのためには引き出しが多くないと対処する術を見つけることができないから、ゲームオーバーになってしまう。

③経験は所詮過去にしか基づいていないので、未経験の事態に対処できない

 経験というのは「過去」に自分が体験したことなので、経験を判断基準にするとなると、過去に自分が体験したことと同じ物事にしか対処できないということになる。

 ということは、未経験の事態に関しては手段を持たないから、何もできずに終わることを意味し、その結果損失を被ってしまう。

勉強をし、アドバイスを受け入れる器がある人が上手くいく

 実際に人と上手くやれたり、仕事で実績を残せたり、試験の成績がよかったりする人は、ちゃんと勉強して他人から知識を吸収しているし、アドバイスも素直に聞くから他人からの受けが良く贔屓してもらいやすい。

 さらに、回り道をしないで済むから効率が良く、早く大量にいろいろなことを身につけることができるから、選択肢が多くなって引き出しが増える。その結果、臨機応変さもおのずと出てくるし、できることも増えるから未来を狭めなくて済む。

 経験のみにしがみつかないで、他人の知恵を借りることがいかに人生で重要か、再考できたら未来が開けるだろう。

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