よくニュース番組の街頭インタビューで、年金について取り上げられる。その際にしばしば聞かれるのが、年金だけでは暮らせないという話だ。こういった話をするのは、大抵元自営業や元個人事業主、そしてその妻といった国民基礎年金しか納めてこなかった人々だ。しかも貯蓄もほとんどできておらず、月の生活費が7万円という人もざらである。
ではなぜ国民基礎年金だけでは暮らせないのか?老後貧困を防ぐには、どうしたらいいのか?
国民年金は、メインの収入にはなりえない
国民基礎年金しか納めてこなかった人たちが最も勘違いしていたことは、国民基礎年金だけで全ての生活費をまかなえるはずと思っていたことだ。年金のシステムをよく理解しておらず、安易に全て依存しようとしたことに間違いがある。そのため数多くの誤算が生じた。
そもそも国民基礎年金は、各種ある年金の一部に過ぎない。しかも当初平均寿命70歳の計算で運営していたので、自営業や個人事業であれば本業収入と合わせて生涯食っていける設計だった。医療の進歩により平均寿命が延びた。それもあって、多くが仕事を引退するようになった。そうなると、収入は国民基礎年金だけになる。貧しくなるのは当然だ。
それに会社勤めをしてきた人ですら、国民基礎年金+厚生年金を受給しているとはいっても、何とか中流を維持している状況である。まして国民基礎年金だけだと、とても暮らせるはずはない。
貯蓄がないのも問題
加えて問題なのは、貯蓄できていないことだ。今年金を受け取っている世代は、社会保険料や税率が今ほど高くなかった時代に現役だった。現代人と比べて圧倒的に負担率が低いにもかかわらず、貯蓄がないというのもおかしい。お金の使い方がどんぶり勘定で、家計管理がずさんだった可能性がある。
こういう人はお金に対して無頓着で、あればあるだけ使ってしまう癖がある。マネーリテラシーが低く、制度の知識も自分から集めようともしない。将来のことを考えるという発想もないし、端から自分には関係ないと思っているからだ。だからお金も貯められない。
お金の管理ができない人ほど制度を活用すべし
ではこうならないためには、どうしたらよいのだろうか?大抵の人は、お金に対してストイックにはなりきれないので、どうしてもルーズになりがちである。そうなると、年金が少ない、貯蓄もないという今の高齢者と同じ状況になるので、自力で何とかするのは挫折しやすい。
そこで重要なのが、制度の活用である。国民基礎年金では足りないのは明白なので、これに追加する制度がいくつかある。その中でも最も大きいのが、国民年金基金だ。これは厚生年金に加入していない人が対象で、自営業や個人事業主なら加入できる。この国民年金基金に加入して追加で納めれば、厚生年金の代替となる。そうすれば貯蓄ができない人でも強制的に積み立てができるので、その分受け取れるお金を増やせる。
さらにもうひとつお得な制度が、付加年金だ。これも厚生年金に加入していない人が対象となる制度だ。毎月400円だけ追加納入するだけなので、今の家計負担は小さい。しかも受け取る時には納入月数×200円給付されるので、受給開始2年以上長生きできれば元が取れる。かくいう私も、厚生年金に加入するまで付加年金を払っていた。だから余計に年金をもらえる。
お金の管理は個人では難しい
正直、個人の力でお金の管理をするのは、自制心やメンタルとの勝負になるので難しい。よほどストイックになれる変態でもない限り、不可能に近い。ずべの素人であれば、なおさらだ。なら、制度やシステム、サービスなど、他人が自動で管理してくれるものを利用しないと上手くいかない。
そのためには知識が重要で、ちゃんとこういったことを自分から調べる癖をつけておかないと、将来大きな悔いが残る。近年は学校でも金融教育が盛り込まれているようだが、一素人に過ぎない教員が説得力を持って教えられるかは甚だ怪しい。
だからこそ、他人を当てにしたり、運に身を任せたりするのではなく、自分で学び取る力が試されているのだ。

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