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2026年10月16日金曜日

過程で評価していいのは頑張りではなく「因果関係」



 左派的思想の拡大から、教育において結果よりも頑張りを認めよう、叱るより過程を褒めようという人が目立つようになった。いかにも左派が喜びそうな耳触りのよい言説で、見事なほど綺麗事の羅列である。

 果たしてそんなに都合よく子供の学習意欲が上がるだろうか?その方針は全ての子供に通用するのだろうか?


 よく聞くキャロル・ドゥエックの実験には裏が・・・


 この言説の元になっている実験がある。それはスタンフォード大学のキャロル・ドゥエック教授らによるものだ。内容と結果はこうだ。

  • 実験の方法:
    1. 子どもたちに難しい問題(パズルやIQテスト)を解かせる。
    2. その後、グループを2つに分けて異なる声かけをする。
      • Aグループ(能力・結果をほめる): 「頭がいいね!」と称賛する。
      • Bグループ(努力・プロセスをほめる): 「よく頑張ったね!」「工夫して取り組んだね!」と称賛する。
    3. その後、さらに難しい問題や失敗しやすい課題を与えて様子を観察する。
  • 実験の結果:
    • 「頭がいい」と能力をほめられたグループ: 失敗を恐れるようになり、難しい問題への挑戦を避けて簡単な問題を選ぶようになった。さらに「自分は頭が悪いと思われたくない」というプレッシャーから、困難に直面すると急激にやる気を失った。
    • 「頑張ったね」と努力をほめられたグループ: 約90%の子どもが難しい新しい問題への挑戦を選び、失敗しても「もっと工夫すればできる」と考えて粘り強く取り組んだ。

というものだ。巷にはびこる褒めて伸ばす言説は、この実験を論拠としている。

 しかし、後年になって反証実験が行われている。同じ条件で再度行ったところ結果は正反対となり、能力を褒められたグループのほうがより難しい問題へ取り組んだことがわかった。つまり、頑張りを褒めたからといって過半数の子がよりチャレンジ精神を持つとは限らないのだ。


 ハーロックの実験(1925年)


 もう1つ実験を紹介しよう。それは、ハーロックの実験だ。児童を「ほめる群」「叱る群」「無視する群」「統制群」に分けてテストを行った結果、「ほめる群」が最も成績が向上したという。

 だがこれで注意したいのが、年代が1925年と古いことだ。古典的であると同時に、反証実験も見当たらず、再現性の確認が取れていないので、今回だけ偶然そうなったとしか言えないのだ。


 闇雲に褒めても子供の学習意欲が上がらない


 こうしてみても、褒めたからといって子供が学習意欲を持つとは断言できないし、学力向上も可能性の域を出ない。人間には個体差があるし、性格もあるから、すべからくこれが効果あると言えるものはまだない。

 それに子供にだって感情があるから、闇雲に褒めても親や教育者の腹を見透かされて、上手くいかなくなるケースもあるだろう。


 因果関係はハッキリさせた方が効率は高まる


 だが、子供との間でちゃんとしといたほうがいいと思うものはある。それは、”因果関係”だ。それも当てずっぽうではなく、具体的かつ論理的に。

 何が功を奏したのか、何が失敗の原因になったのか、ここを明確にしないままでいると、いつまでも闇雲な努力を続けてしまい、貴重な時間を無駄にしてしまう。再現性のある方法で上手くいったのなら継続すれば効率化できるし、失敗原因をつきとめられたら対策をとることで回避できる。

 すると次第に上手くいく方法の純度が上がってくるから、成功率や学習速度も上昇する。さらには余暇の時間も確保できるようになるから缶詰めにならずに済み、趣味に興じたり、休養できたりして、心身の健康にもいい効果をもたらす。

 よって、過程を褒めるというより、過程における因果関係の分析が重要と考える。




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