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2026年5月28日木曜日

人間の不完全さが視野にない、共産主義の無能






 ベルリンの壁崩壊やソ連・東欧の共産党支配終焉に始まり、中国の資本主義経済導入などを経て、現在共産主義は縮小の一途をたどり、虫の息となっている。そんな中でありながら、ここ最近、マルクス主義や共産主義を志向する人を目にする機会が増えた。東京大学の教授、准教授にも何人か標榜してしている人がいるし、京都大学でもそういう一団がいることをメディアを通じて目にしている。

 だが過去の歴史を見て、共産主義を志向して成功した国は1ヵ国もないどころか、全て悲惨な結果に終わっている。その悲惨さも、経済的に失敗して貧困におちいっただけでなく、何百万、何千万単位で死者を出すというありえない規模での被害を複数の国で出している。

 なぜ彼らの理想はことごとく外れ、悲惨な結果になるのだろうか?共産主義者に共通する盲点を明らかにする。


 共産主義者の理想とスタイル


 共産主義者というのは理想を追いかけることを目標としている。そのため現実に対して否定的で、受け入れたくないという思いが強い。というのも、現実は理不尽で、不平等で、苦労がばかりさせられ、恵まれることはなく、利益は絞りとられ、自分にとって損で苦しく面倒で困難なものと思っているからだ。

 だから、どこかにそうではない楽園のような場所があるべきだと考える。この考えをベースに理想を描くのだから、自分にとって相当都合がよく、大甘な青写真(彼らはこれを完璧な高い理想という)になってしまう。

 しかも、格差は彼らの自尊心を強烈に刺激するので、悪と見做して絶対に否定する。だから、きっちり平等にすることへ固執し、それに従うことを他人にも要求する。これが共産主義が計画経済を志向する理由で、そこから上がった利益は「どんな人にも」平等に分配されるべきとする。


 聖人レベルの人間ばかりでないと成り立たないシステム


 ただ、彼らの思い描く理想のシステムにはある重大な欠陥がある。それは、全ての人間が聖人レベル、何なら神様レベルの高い人間性を兼ね備えていないと上手く機能しないという点だ。そんなのは誰がどう見ても不可能である。

 そもそも人間はどこまでいっても全員完全にはなりえないし、個体差や地域差、能力差など、変えられない差も存在する。その中にはズルい人間も存在し、手を抜いたり、抜け駆けしたりする者も必ず出てくる。そうなると、真面目に計画に従った人ほど馬鹿を見ることになる。

 しかも共産主義は大きな政府を志向し手厚い社会保障を求めるが、これもズルい人間にとっては格好のターゲットで、自分だけ楽して利益を得る手段として悪用してしまう。これでは真面目に従うのが馬鹿らしくなるので、そういった人まで腐らせ全体のモチベーションを落とし、生産力の低下と国民全員の貧困を招いてしまう。

 それにもっと身近なところでも、人間誰でもちょっとした誘惑に負けてしまうなんてのは日常茶飯事で、それが重なって皆が皆やってしまい、大騒動に発展するなんてのは度々発生している。どうしても人間には感情や欲求があるので、そこに流されてしまって計画外の行動に出てしまうなんてことを繰り返してしまう。

 人間が不完全である以上、思い通りにいきようがないのだ。


 出る杭を打つ共産主義


 さらにもうひとつ問題点がある。先ほどの人間の不完全さの話はどちらかというと下振れの話だが、逆に上振れする人間もいるだろう。意欲があってバリバリ働く人、頭が良くてハイレベルな仕事ができる人、技術があってイノベーションを起こせる人なんかがそうだ。こういう人は上に突き抜けられる人材だが、共産主義の下では非難の対象になりやすい。いわゆる出る杭だからだ。

 先ほど言ったように、共産主義は平等を基本の価値観とするので、出る杭はこれにそぐわない。だから必ず出る杭を打ちにくる。そのためこれら出る杭の足を引っ張って、何としてでも引きずりおろそうとする。もうそれは、嫉妬の対象でしかない。そのせいで発展が止まり、どんどん様々な製品が時代遅れになってしまうという弊害も共産主義国では散々起こってきた。


 不完全なものが作る以上、どんなものも不完全でしかない


 所詮完璧ではない生き物が作り出したものである以上、共産主義ですら不完全で上手くはいかない。つまり何をやっても不完全にしかなりえないのだから、完璧を求めることはナンセンスなのだ。むしろ不完全で不平等で理不尽であるのを承知し、その上でどう立ち回るかを考えたほうが現実的であり、即効性もあり、成功率も高い。

 少なくとも怠惰な者やズルい者にとって得となるシステム、優れた者に損させるシステムは破綻にしかならないから、誰にとっても不幸である。だからこそ共産主義は、最も忌避すべきものである。




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