真逆の運命をたどる二人
この両者では末路は正反対だ。変化に合わせる人は市場のゲームチェンジに即座に反応して、先行者の優位性もあって早くから利益を享受する。ライバルが少ない内から動いているので、競争が少なく楽にビジネスができる。市場が成熟したころには寡占状態が完成していて、その地位や利益は不動のものになっている。
これに対して拒絶する人は、真逆の運命をたどる。縮小する市場に居座り続けているので、利益は下がる一方だ。いよいよ切羽詰まってきてようやく重い腰を上げるが、その時にはすでに新たな市場には入り込むすきはなくなっている。
これはビジネスに限ったことではない。行政手続きなんかもそうで、人手不足解消のためデジタル化を進めているが、変化を受け入れている人は早くからそれに慣れて使いこなしている。職員とのやりとりはスムーズだ。
対して拒絶している人は、いつまで経ってもアナログや手書きにこだわるため、手続きが煩雑なままで職員の手間をかけさせる。それは働き方改革の足を引っ張るだけでなく、二重行政になるので財政にまで悪影響を及ぼす。
それでもほとんどの人はゲームチェンジを拒絶する
それがわかっていても、多くの人はゲームチェンジに対して消極的になる。年金の納入者数と受給額が年々先細ることがわかっているのに、ほとんどの人は自身で何も手を打とうとしない。それはまるで、ゆでガエルだ。変化を受け入れる人は、早くにこのままでは身がもたないと察知して、サッサと資産運用や不労収入を作っているというのに。気がついた時にはこの差は大きなものとなって、真逆の運命をたどっているということを嫌というほど見せつけられる。でもこの時には後の祭りだ。
ではなぜ多くの人は変化を拒絶してしまうのだろうか?
① 面倒くさい
まず最も頭をもたげるのは、面倒だということだろう。長年習慣化した生活サイクルをわざわざ自分から変えるというのは、とても億劫なものだ。その分手間やコストがかかるし、休憩時間を奪われることになるから嫌悪感が湧いてきてしまう。
特にスタートアップの時期は特にやることが多く、煩雑になるため、高い障壁に感じられやすい。これは人間の本能でもあるので、ぬぐえない感情ではある。
② 恐怖心・損失回避
何かを始めるには必ずコストがかかる。お金に限らず、時間、労力、精神も費やすことになる。こういう必ずかかって取り戻せないコストのことをサンクコストというが、最初の内は売り上げが立つかわからないので、人間はこのサンクコストを丸々損失として想像してしまう。
そしてもし本当に売れなかったらと考えると、ムダにするものの大きさから失望感や後悔の念にさいなまれるのを恐れて、損失回避のために止めておこうと考えてしまう。
③ 未練・現状への執着
今の生活スタイルを手放すのが惜しくなるのもあるだろう。例えば貯蓄をするためには節約は欠かせないが、そのためには生活ランクを落としたり、ムダな課金をやめたりする必要がある。
しかし人間というものは、一度手に入れた生活習慣やランクを手放すことに強い抵抗を示す。どうしても、手放した際に空虚感が湧いてしまい、ネガティブな感情へ引っ張られてしまうからだ。
これらの作用により人間はネガティブな感情を抱き、本能的にゲームチェンジを拒絶してしまう。結果、現状維持を選んでしまい、時代の変化に取り残され、割を食ってしまう。
それでもゲームチェンジは止まらない
ここまで話してきて、「じゃあ、ゲームチェンジを止めてしまえばいいじゃないか」という人は、重傷である。なぜかというと、ゲームチェンジは止められないからだ。
例えば、エンジニアの技術開発は好奇心に突き動かされているので、自発的に行われていて他人には止めようがない。好奇心も人間の欲望の一種であり、衝動的に動いてしまう側面があるから、どうしても我慢比べになってしまう。そもそも技術開発自体は素晴らしいこととされているから、誰にも止める権利はない。
特にここ近年の変化は早く、かつては現代人が生きている間には実現しないと思われていたものがドンドン存在している。スマートフォン、AI(電子頭脳)、自動運転、3Dプリンター、クローン、コード決済などなど・・・。それどころか完成不可能とまで言われていたバルセロナのシンボル、サグラダファミリアですらメインタワーがすでに完成していて、あとは周辺部の設備を造るのみとなっている(この建設スピードのアップに3Dプリンターが大いに活躍している)。
こうしてドンドン加速度的にゲームチェンジが繰り返されていて、もはや誰にも止められない状況である。もはやついていくか否かの選択肢は残っておらず、どこまでついていくかの勝負の時代に突入してしまったのだ。
こうしてドンドン加速度的にゲームチェンジが繰り返されていて、もはや誰にも止められない状況である。もはやついていくか否かの選択肢は残っておらず、どこまでついていくかの勝負の時代に突入してしまったのだ。


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