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2026年8月15日土曜日

桐谷さんの話を”庶民”が真に受けると危険

         money.diamond.jpから
 
 株主優待生活の桐谷さんこと、桐谷広人さんが前立腺と大腸にあった2つのガン摘出手術を受けた。命に限りがあることを身をもって知ったことで、もっと贅沢をしておけばよかったと後悔をもらしていたことで話題となった。

 元々桐谷さんは将棋の棋士としてデビューした。将棋の本も出すくらいかなりの腕前だったが、投資と出会い二足の草鞋を履くようになった。すると次第に資産が増え始め、いつしか株主優待で生活のほとんどをまかなえるように。そんな変わった経歴が目に留まり、日テレのバラエティ番組「月曜から夜ふかし」で取り上げられると、一気にブレイク。かなりの高スピードでこぐママチャリと、軽妙な語り口もあって人気となり、本業よりも投資家として知られるようになった。


 投資家ならではの後悔


 テレビに出るようになって、より優待生活に拍車がかかった。テレビでのイメージを崩すまいと、必要も無いのに現金を使うことを極力ひかえるようになった。好きだった「かに道楽」も自腹では行かなくなった。せっかく地方へ講演に行っても、あまり観光はせずとんぼ返り。

 そんな桐谷さんに2026年1月ガンが見つかった。続いて大腸にも見つかり、手術を受けることに。その時悟った、「元気だったし、自転車でビュンビュン飛ばして走っていましたから、自分に寿命があるなんて思っていなかったんです。ずっとこのまま元気で暮らせると思っていた……。今回の病気で、人生には限りがあるんだな」と。

 そこで沸き上がったのが、お金の後悔。
「意地を張らずに、もっと現金を使ってご馳走を食べたり、温泉にでも行ったりすればよかったな」と。


 もっと好きなことにお金を使えばよかった


 確かに資産階級の間では、「生きている間にもっとお金を使って、人生を楽しめばよかった」という後悔を口にする人は多い。お金は冥途に持って行けず、生前にしか使えないから、残すくらいなら使えばよかったという思いに駆られやすい。

 しかも、貯蓄のためにケチってばかりで楽しみが何もないくらいなら、多少貯蓄を削っても有意義な生活をしたほうが増しだったという後悔を抱きやすい。お金は貯めているだけだと、何の役にも立たないからだ。


 ネット民の反応


 この桐谷さんのコメントがネットで公開されると、ちょっと話題沸騰になった。テレビ番組で現金は使わず株主優待を消費するために生き急いでいる感があっただけに、桐谷さんが資産家ゆえの後悔を口にするとネット民は反応した。

 「お金があっても、楽しみがなければ意味がない」「お金を貯めても、使わなければ役に立たたない」「やはり人生で大切なのは、お金じゃなくて何をしたかだろう」などというコメントが多く投じられた。


 真に受けた庶民に待ち受けていること


 だが、ここで一旦冷静になって考えてほしい。この後悔は、あくまで資産家である桐谷さんだからこそのものである。若い頃から投資を続け、お金の管理をストイックにやってきた人間だからこそ出た後悔である。お金の管理が未熟で、資産がなく、給与収入しかない、真逆の境遇にある一般的な庶民が、桐谷さんの言葉を真に受けてしまったらどうなるだろうか?

 宵越しのお金は持たなくなるから、常に貯蓄がない状態になるだろう。そうなると、

  • 病気やケガをしても医療費を払えないから病院へ行けなくなる。
  • 老後の衰えから働けなくなったら、貯蓄がないばかりに生活費が足らなくなって、貧困まっしぐらになる。
  • 持て余した老後の時間をつぶす手段が限られ、孤独になりやすくなる。
  • 生活費を工面するために、年をとっても働き続けなければならなくなる。
  • 細かい欲求は満たせても、進学、資格取得、結婚、出産、育児、マイホーム、マイカー、旅行、レジャーといった大きな出費はできなくなる。
  • 老後お金が無くて生活保護に頼ると、現役世代への負担が増えて、社会全体に貧困が広がっていく。

といった問題が発生する。しかも、これらは今現在日本で大きな社会問題となっているものばかりである。

 そうなると、桐谷さんの言ったことを真に受けるのはかなり危険で、先々のことを考えるとマネしていいものではないとわかる。これはあくまで富裕層だからこそのもので、庶民はちゃんと資産形成をしておかなければならないし、浪費や今お金が無いことの言い訳に使っていい話でもない。


 資産を作るには


 では、資産はどう作ったらいいのだろうか?給与が増えなければどうしようもないという人が多いが、その前にやるべきことがある。それは、


 ① 帳簿をつけること

 多くの人は収入を増やすことを第一に考えるが、もっと重要なのは出費の可視化と管理である。いくら収入が増えたとしても、生活水準を上げて出費を増やしたら、お金は一向に貯まらない。だから、出費の管理こそ最優先でやらなければならないのだ。

 だが、人間自分には甘いものである。目に見えない状態だっと言い訳を重ねてしまって、出費を無制限に見逃してしまう。だからこそ自分に有無を言わせないようにするために、帳簿をつけて可視化するのだ。そうすると途端に現実が見えるので、自分の危機に気づくのだ。


 ② 断捨離

 そこから、収支に合うように断捨離をする。人間細かい出費には甘く、見逃しがちだ。100円ショップでの買い物、スナック菓子、お酒、たばこ、自販機の飲料、コンビニ弁当、飲み代、ムダなサブスク、ゲームの課金などなど、無駄を探せば無限に出てくるものだ。これらをやめたり、ディスカウント店に切り替えたりすることで、余剰金の捻出ができるようになる。

 実際自分も、滅多に100円ショップは利用しないし、お酒・タバコはまず買わないし、飲料や弁当はスーパーに切り替えた。サブスクも入らないし、課金がもったいないからネットゲームは一切やめた。これで5万円くらいは浮いているのではないだろうか?


 ③ 貯金より投資

 そこで余ったお金を貯金に回す人が多いだろうが、ここは勇気を出して投資に回す。理由は年利が圧倒的に違うからだ。

 貯金は現金でプールするので価値が上がらない。それどころか物価上昇に伴って1円あたりの価値(同じ金額で買えるものの量)は下がる。それではむしろ貧しくなっている。

 この影響を受けないようにするには、それ以上のリターンがあるものでなければいけない。だから投資なのだ。

 投資であれば単利ではなく複利の力を得られるので、リターンの効率がいい。その分資産が増える速度も上がるので物価上昇に対応できるどころか、さらなる余剰資金を手に入れることもできる。桐谷さんが7億円という資産を築けたのも、この複利を利用したからだ。

 ただ、失敗は防ぎたいので、初心者ならインデックス投資や純金積立に絞ったほうが賢明である。


 決してやってはいけないこと


 最後に最もやってはいけないことを話そう。それは、資産家の後悔の念を真に受けて散財することだ。人生をエンジョイするのはいいが、自分のキャパを越えてまでやると当然破産する。一旦借金を負ってしまうと、その後の人生まで影響が残る。特に自己破産した場合は、法的な制約も受けるのでできることが限られてしまう。

 それだけに、自分にとって聞こえのいい言葉は受け入れやすいが、悪影響があることは必ず肝に銘じておかなくてはならない。

 全ては資産を作ってからの話である。




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