2023年3月31日金曜日

国内SRS直前の流れと用意するもの(入院前編)

  以前SRSを申し込むまでを記事にしたので、今回は入院するまでの流れを書きます。手術を受ける直前にも準備することがあるので、参考になればと思います。

現地到着から入院までの流れ
 現地に到着したその日に手術するわけではありません。体内を手術できる状態にするために、やらなければならないことがあります。そこも踏まえて、入院までの手順は下記の通りです。

 ただし大分前の話なので、一部順番が前後していたり、忘れていたりするところがあるかもしれないです。

【1日目】
現地到着
ビジネスホテル・チェックイン
部屋へ(1日目終了)

【2日目】
クリニックへ
入院と手術のスケジュールの確認
下剤(無色透明の液体)をもらう
ホテルの部屋へ帰る
下剤を飲んで、腸内洗浄
排便
飲まず食わずで就寝(2日目終了)

【3日目】
ホテルをチェックアウト
クリニックへ
入院・待機
時間が来たら手術室へ

※下剤は牛乳パック1本分(1000ml)くらいあった気がする。全部飲み干さないといけない。
※S字結腸を使わない反転法であっても、腸内洗浄はします。恐らく、しばらくトイレへ行けないから。

手術するにあたって、自分で用意するもの
 現地に何日間も滞在するのと、手術後のことを考えて選んだ方がいい物を挙げます。

一般的な旅行用品
 術前術後は近くのビジネスホテルへ宿泊するので、当然ですが旅行で使うような生活用品が必要になります。ホテルに備え付けられているものを使うのもありですが、部屋にしばらくこもる場合はベッドメイキングは来ないので、タオルなんかは自分でも用意した方がいいでしょう。

シャンプー・リンス
 手術後5日間くらいはシャワーを浴びれないので、かなり髪の毛が皮脂で汚れます。ホテルの備え付けのものでは足りない可能性があるので、自分で旅行用のボトルを買っておいた方がいいです。

布地の多いゆったり目の下着
 術後しばらくは出血があるため、生理用ナプキンをつけなくてはなりません。なので、ナプキンが収まるような下着を用意する必要があります。生理用ショーツなら確実ですが、セット売りの綿のショーツでもなんとかなります。

ワンピースタイプの部屋着
 手術直後は縫合した部分がまだくっついていないので、患部を圧迫することができません。しかも、数日間は大人用紙おむつを履いてたような気がするし、尿道カテーテルも付いているので、ゆったりとした格好でないときついです。普通のパジャマだと脱ぎ着する時に足を上げないとならないから、患部を痛める可能性があります。

円座
 真ん中に穴が開いた座布団です。SRS後の定番アイテムです。穴あきがいいのは、患部に直接触れないので、痛みを最小限にできるからです。

あとあまり語られませんが、素材は大事です。私は最初、低反発のものを使っていましたが硬いので痛かったです。その後、「発泡ビーズ」のものに買い替えたら、柔らかくふんわりしているので、患部に負担がかからず楽になりました。この感じだと、ウレタン素材もいいかもしれません。

暇つぶしになるもの
 正直あまり出歩ける状態ではないと思うので、部屋の中にいる時間が多いです。スマホゲームでもいいですが、飽きるかもしれないので他にも持っていったほうがいいかもです。


 とりあえず、思いつくところはこんなものでしょうか。また思い出し次第、書き加えるかもしれません。

ナグモクリニックHP
https://www.nagumo.or.jp/

ナグモクリニックGID外来
https://www.gidcenter.com/


国内SRSの手順と対応クリニック(準備編)
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国内SRS直前の流れと用意するもの(入院前編)
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国内SRSの話(執刀医編)
https://akachinmoney.blogspot.com/2023/04/srs.html


国内SRSの話(術式編)
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国内SRSの話(入院中編)
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国内とタイのSRSメリット・デメリット(MTF)
https://akachinmoney.blogspot.com/2023/04/srsmtf.html


SRSは万能薬ではない
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歩き方に出る男女の違い
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2023年3月30日木曜日

国内SRSの手順と対応クリニック(準備編)

  私は男性から女性へ性別変更するのに、国内でSRS(性別適合手術)をしました。病院は「ナグモクリニック」。いわゆる正規ルート呼ばれる、ガイドラインに沿った手順で行われる病院です。ただ、クローズドにしているわけではないのに、なぜかあまり情報が出てこないので、体験者である私が紹介します。

ナグモクリニックについて
 そもそもナグモクリニックですが、メインは乳房に特化した婦人科クリニックです。テレビ出演もし、ごぼう茶や一日一食健康法などで有名な南雲吉則医師が理事長を務めていることで知られています。特に乳がんの検診、手術、再建を得意としており、一般女性患者の比率が高いです。

 このことから本来は美容整形外科ではないですが、乳房専門ということで豊胸手術や乳房縮小術、陥没乳頭の手術も請け負っており、ヒアルロン酸注入もやっているとのことです。

手術までの流れ
 先ほども言ったように、この病院はガイドライン順守です。従って、大学病院と同じ手順で執刀します。執刀までの基本的な流れは下記の通りです。

精神科を受診(ファーストオピニオン)
1枚目の診断書をもらう
精神科を受診(セカンドオピニオン)
2枚目の診断書をもらう
ホルモン投与を受ける(1年以上)
精神科医からナグモクリニックへ申し込みしてもらう
複数の精神科医と執刀医を集めて、判定員会にて審議
許可が出たら、ナグモクリニックを受診
下腹部の皮膚の量を見て、執刀医と術式を相談
輸血用に自分の血液を採取
手術・入院日の決定とホテルの予約

※精神科については、GID学会所属医師が推奨です。ガイドラインに沿わない医師が発行した診断書は受け付けない場合があります。
※提携している医師がいるので、ナグモクリニック(東京院・大阪院)でも精神科を受診できます。
※ホルモン投与は、東京院、大阪院、福岡院できます。
※術前の診察は、東京院、名古屋院、大阪院でできます。
※執刀は、名古屋院、大阪院で行います。

 文章で書いてもよくわからないと思うので、対象は表にまとめます。

対象診療一覧表

東京院 名古屋院 大阪院 福岡院
精神科診療 × ×
ホルモン療法 ×
豊胸手術
乳房除去手術 ×
SRS前の診察 ×
SRS × ○(FTM・MTF) ○(FTMのみ) ×
SRS後の経過診察 ×

 上記のように全て対応している所は無いので、それぞれのセクションに応じて行き先がかわります。私の場合、精神科とホルモン療法は別のクリニックで行い、豊胸は無し、術前術後の診察は東京院、SRSは名古屋院で行いました。

 ちなみに、診察中にごぼう茶を勧められるということはありませんでした。

ナグモクリニックHP
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国内SRSの手順と対応クリニック(準備編)
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国内SRS直前の流れと用意するもの(入院前編)
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国内SRSの話(入院中編)
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国内とタイのSRSメリット・デメリット(MTF)
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SRSは万能薬ではない
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#SRS #LGBTQ #性別適合手術 #性転換

2023年3月26日日曜日

健保組合の経営悪化問題

  2022年に社会保険の健保組合の経営状況についてレポートがあった。これによると、半数の組合が赤字経営に陥っているそうだ。これは日本の医療分野における社会保障の一大事だ。もしこのまま赤字経営が続けば、医療機関を利用しても保険での補てんができなくなり、自費で賄わなくてはならなくなる。今回はこの件を取り上げる。


保険組合の資金がショートしたら
 既に半数が赤字ということは、資金がショートしかけているということだ。もっと言えば、今黒字経営できている組合も、これを維持できるとは限らないということが言える。では、資金がショートしたらどうなるだろうか?

自費で支払いが増える
 払えるお金がないから、保険負担を減らさざるを得ないだろう。なるべく出費を抑える手段に出ないとならないから、自己負担割合の増加が考えられる。ただこれには法律改正が必要なので、健保組合の独断ではできない。政府が検討するかどうかがカギとなる。

保険対象疾患の削減
 これも支出削減策として、考えうるだろう。さすがに風邪や骨折などのありふれた疾患は、そうすぐには指定を外さないだろうが、高額となる指定難病とかは可能性が無いとは言えない。とはいえ、これも厚労省に決定権があるので、健保組合に決定権が無いからすぐには実行しないだろう。

新たな保険対象疾患の認定の阻止
 これは既にやっている可能性は高い。赤字経営の状態で新たに保険対象疾患が増えたら、これに比例して出費がかさむので、政府の方で認定の阻止をしていることが考えうる。

保険料徴収率の増加
 出費を抑えるだけではショートを防げないので、保険料収入を増やす手段も考えねばなるまい。ただ、保険料率は都道府県ごとに決めているので、各自治体が増額するかどうか判断することになる。


原因は何なのか?
 そもそもの話、何で健保組合は赤字経営になってしまったのだろうか?

人口の減少
 ここ近年、日本は人口が減少している。それどころか減少幅は拡大しており、この傾向に収束の目途は立っていない。これに比例して労働者数も減少しているので、保険料徴収額も減っている。

高齢化率
 高齢者といえば70、80、90代の方を考えるかと思うが、50、60代も若年層と比べると人口比率が高い。そして年齢が高くなるにつれて老化や生活習慣病の発症確率が上がるので、医療機関の利用頻度も上がる。結果、健保組合の出費が増えてしまう。

日本の高い受診率
 日本の場合、他国と比べると自己負担額が安いという事情から、国民の医療機関の利用頻度が高いという。そのため明らかに自宅で直せるような軽い疾患でも、医療機関を利用するケースが多い。包丁で指を切っただけでも救急車を呼ぶ人がいることからもわかる。
 そもそも日本人は他国と比べると不安神経症的傾向が強いという研究結果があり、些細なことでも心配になる上、医療費が安く抑えられていることから、気軽に医療機関を利用できてしまう体制が医療費増加につながっている。


政府の対応は?
 もちろん政府も手をこまねいているわけではない。社会保障は日本の行政の一番の課題とされているので、既にいくつかの施策を打っている。

健保加入対象範囲の拡大
10月1日から社会保険が変わりました!でも書いたが、パート・アルバイト労働者の社保適用範囲を拡大した。しかもこれは事業者に対する義務なので、労働者側が希望すれば必ず加盟させなければならない。厚生年金被保険者数常時501人以上から101人以上に、継続1年以上の雇用見込みから2ヵ月超へと、かなり適用条件を緩和したので、新規加入者は一定数あったのではないかと思われます。

セルフメディケーション税制
 この制度はあまり聞きなれないと思います。医療費控除の特例「セルフメディケーション税制」で詳しく説明しているが、検診や予防接種の利用によって普段から健康に務め、軽い疾患なら医療機関に頼らず指定市販薬で直した場合に適用される税制優遇のことだ。検診や予防接種は疾患にかかっているわけではないので、保険適用外の医療行為となり、健保組合には痛手が無い。さらにこの機会に健康に努めてくれたら疾患にかかりずらくなるので、より医療機関の利用頻度が下がって健保組合の支出が減る。
 それでも病気にかかったとしても、症状が軽くて自宅で直してくれたら、もっと医療機関での診療が減るからより良いという訳だ。


私からの提案
 果たして上記の政策だけで十分か?と言われると、中々疑問である。特に人口減少は根本的解決に至っていないので、ずっと問題として残り続けている。そこで、私が考えるさらなる手はこれだ。

移民の受け入れ
 自力で人口を増やせない以上、移民を受け入れることを考えねばなるまい。既に欧州の多くの国はかなり前から人口減少に転じており、移民受け入れに舵を切った国が多い。さらに発展途上国出身者ほど多産の傾向にあるので、人口増加に貢献できる。
 保守派は単一民族性に重点を置きがちだが、そもそも日本人は純血種ではない。南から縄文系の民族が移り住み、北からはアイヌ系が入り込んだ。その証拠に長野県にもアイヌ語の地名が残っている。弥生時代になって朝鮮系の人が入り込み、さらなる混血が進んだ。沖縄なんかは台湾や東南アジアと交易をしていたから、インドシナ系やポリネシア系との混血もあるだろう。明治に至っては樺太や千島を国土に加えたので、ロシアの血を引く人も潜在的にいる。なので、民族性の論理は元から破綻している。
 とはいえ、移民受け入れは平均賃金の低下というマイナス効果もはらんでいるため、どっちに転ぶかはわからないということも注記したい。

103万円の壁の解消
 現在日本の税制で配偶者の給与所得が103万円を超えた場合、配偶者控除が減額されてしまう。結果、手取りを増やすために労働時間を削り、収入減や人手不足などの問題を起こしている。いっそ基礎控除額を縮小してしまった方が、労働時間に比例して収入が増えるからシフトに入ることができて、人手不足も解消する。
 さらに労働時間が伸びることによって社保の加入条件を満たす人が増えるから、相対的に健保組合の収入も増える。

M&Aの推進
 健保組合に加盟するためにはある程度の事業規模が必要になる。だが日本企業の9割が中小企業と他国と比べて非常に高く、健保組合への加入義務を果たさなくていい事業者は相対的に多いと思われる。
 M&Aを推進することによって会社の規模が大きくなるため、健保組合への加入義務を果たさなくてはならなくなり、自ずと健保組合への保険料の支払いを増やすことができる。
 しかもこれは会社にとってもメリットがある。今後存続を図るためには永続的な成長をしていかなくてはならないし、他国の企業とも渡り合っていかなければならないので、どうしても事業規模を大きくせざるを得ない。そのためにM&Aは欠かせないし、事業規模が大きくなればより多くの人材が必要になるから、キャリアのある従業員をつなぎ止めるために社会保障は重要な要素となる。
 そのためにもM&Aを促進する税制優遇や企業支援をより進めていく行政支援が必要であろう。


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2023年3月21日火曜日

人生に目的なんかいらないのか

 ひろゆき氏が「人生暇つぶしっすよ!」って言っていて、なるほどそう思う人もいるんだと知った。その一方で、ある公認心理士の方(仮にA氏としよう)が「人生暇つぶしなんて言う人は、精神的におかしい」的なことを言っていた。

 しかし、ひろゆき氏を見ている限り精神的な闇を抱えているようには見えないし、人生に悲観している訳でもないし、今でも精力的に活動しているから、自暴自棄になってる訳では決してない。若い内に成功して資産と時間を持て余しているから、物思いにふける時間もできて、そこから出た結論が「暇つぶし」だったとういうだけだと思う。

 岡田斗司夫氏の4タイプによると、ひろゆき氏は学者タイプで、分析するのが好きなのだそうだ。こういうタイプは、どこか達観したところがあって、考えたり発言したりする際に、私的な感情を挟まない傾向がある。その点からしても、A氏のように精神的な側面で発言をとらえるのはお門違いだろう。

 その一方でA氏は、毒親に育てられアダルトチルドレンを抱え、その関係から心理学に興味を持ちスピリチュアルに傾倒した経歴があると言っていた。普通に考えたら精神的な問題や認知の歪みを抱えるのはA氏の方だし、わざわざ「人生暇つぶし」という言葉を持ち出して怒りを露わにしている所を見ると、そこに執着があって、本当はアダルトチルドレンを克服しきってないのではと勘ぐってしまう。

 でも、A氏の話をしても仕方ないし、ひろゆき氏の言葉と似たようなことで、「人生に目的なんかいらない」と精神科医の樺沢紫苑氏も言っていたので、これについて取り上げる。

生まれた時って
 まず皆さんに聞きたい。生まれた時の記憶を持っているだろうか?稀にいるらしいが、多くの人はNOだろう。正直、私も覚えていない。仮に子供の頃は覚えていたとしても、大人になるにつれて忘れていく。生まれた瞬間のことなど誰にもわからないし、そもそも母体の中で育ったタイミングで生まれてくるので、自分の意思で生まれたとは言い難い。ゆえに、生まれた瞬間は目的があった訳ではないだろう。

育つ過程で目的は生まれるのか
 その後、家庭、保育園、学校などで学ぶにつれて知識や経験が身につき、知恵もついてくる。その中でやりたいことが芽生えてくるだろう。スポーツ選手になりたいとか、会社の経営者になりたいとか、お医者さんになりたいとか。その内、これが生きる目的になる人もいるだろう。だが、大半の人はそうではないだろうし、成り行きで今の人生になった人が多数ではないだろうか。

目的が無かったら生きていてはダメなのか?
 そう考えると、目的を見出せずに生きている人は数えきれないほど多くいるが、この人たちに人生は無いのだろうか?そんなことは無い。生きてきた歴史があり、それが人生である以上目的が無くても人生が存在する。つまり、目的から人生が生まれるのではなく、各々に人生があってその中から偶に目的が生まれることがあるという順序なのだ。なので、人生に目的の有無は関係ないのだ。

目的は個人の自由
 このことから、目的を持ちたい人は好きに持てばいいし、無くても勝手に人生は生まれていくだけの話なのだ。あくまで目的を持つ持たないは個人の自由なのだ。そう考えると、冒頭のA氏の反応はどちらかというと「目的が無ければ人生じゃない」という考えに寄っていて視野の狭さがあるし、そこにわだかまりとかトラウマとかがあるように思える。本当は本人の心理セラピーが未完了なのではないか?

 そして、何を目的にしたらいいのかわからない人にとっては、終わりの無い苦悩を抱えることになるので、精神的なストレスを抱えることになりかねない。これは公認心理士としてあるまじき行為ではないだろうか?やはり、幼少期の生育環境に問題があった人の方が、客観的に物事を見る力が弱い分、相手の立場で考えられないのか。

目的より謳歌することが大切
 それはともかく、人生に目的は絶対条件ではない。目的が無くても、楽しくエンジョイできていれば幸せが得られるのだから、いいではないか。目的の無い旅なんかいい例だ。目的にこだわらずに、謳歌することがだいじではないか?


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2023年3月18日土曜日

音楽のジャンルと心理

 音楽には人の心を癒したり奮い立たせたりする力があると言われています。ただ、海外の研究でどんなジャンルでも同じ効果があるという訳ではないらしい。さらに、ジャンルによって人のタイプの傾向もあるそうです。そうなると、どんなジャンルにどのような効果や人のタイプがあるのか気になるところ。ちょっとまとめてみようと思います。

クラシック
 西洋音楽のルーツにして王道であるクラシック。知性あふれるインテリ系の人が聴きそうなイメージがあると思います。もちろんインテリ系の人も聴かなくはないですが、意外に好奇心旺盛な人が多いそうです。さらに割と社交的な傾向もあるそう。

 ただし、かつて流行った「クラシックはヒーリング効果がある」とか、「モーツァルトを聴くと、体調がよくなる」というのは、後の反証実験で特段の違いはないことが確認され、今は否定されています。

レゲエ
 カリブ海の島国、ジャマイカ共和国生まれの音楽です。なんと言ってもこのジャンルのスーパースターと言ったら、ボブ・マーリー。ドレッドヘアが印象的な彼ですが、生涯にわたってレゲエ音楽と世界平和を訴えた人物としても知られています。

 そんな彼の精神を反映してか、レゲエファンには外向性を持ったフレンドリーなタイプが多いそう。争いを好まず、パーティーを好む傾向にあるとのこと。この雰囲気があるからか、インテリ系のようなタイプは少なく、「難しいことはよくわかんねえけど、みんな仲良くやろうぜ」というタイプが多いようです。あと、レゲエの傾向として怠惰になりがちだとか。

ヒップホップ・ラップ
 アメリカ合衆国最大の都市、ニューヨークのブロンクス地区生まれのジャンル。ブロンクスにはアフリカ系住民(いわゆる黒人)が多く、貧困などの問題を抱えている人が多いことでも知られています。そんな人々を励ますために生まれたとも言われているのが、ヒップホップです。一から作曲するのとは違い、他の楽曲からサンプリングして掛け合わせることが多いのが特徴です。

 そんなヒップホップは、外向性を持ったアクティブな人が多いとか。友好的な人が多く、喧嘩をしても最後はちゃんと仲直りするタイプという傾向があるそうです。

 効果としては、精神を奮い立たせモチベーションをアップさせる傾向が最も強い音楽の一つとのこと。

カントリー
 アメリカ中西部や西ヨーロッパの民族音楽をベースにしたジャンルです。アメリカの農村を思わせるような曲風なのが特徴です。

 そんなカントリーを好む人は、保守的なタイプが多いそうです。田舎の音楽なので保守的なのはなんとなく感じますが、研究でもそう出たようです。性格特性は内向性を持っており、あまり人付き合いを好まないようですが、古き良き家族のスタイルは大切にします。

ハードロック・ヘヴィメタル
 発祥に関しては諸説ありますが、イギリス、アメリカを中心にドイツ、北欧、オーストラリアなどの欧米で広まっていった音楽です。強面、ドクロをモチーフにしたデザイン、激しさとパワーとスピードを究めるなど、かなり怖いイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。

 そんなハードロック・ヘヴィメタルですが、意外にも最もインテリ系のファンが多いのだとか。ストイックにテクニックを究めようとする姿がインテリ系の研究熱心さに通ずるものがあるのか、はたまた根詰めて溜まったストレスを思いっきり発散したいからなのか。ただ、歌詞の内容が哲学的なものが多いのでインテリ系でないとわからない部分はあります。性格特性は内向性が強く、困難が生じた時に自分に原因を求め、自己改善することで解決を図ろうとする傾向があるそうです。自信家が多いせいか、鬱傾向は少ないとか。

 効果は予想に違わず、モチベーションが最も上がること。ヒップホップと並んで効果が高いそうです。これは無作為に人を選んでも効果が最も高かったそうで、スポーツの成績もアップしたとのこと。格闘番組とかでこの手の音楽を流すのは、あながち間違いではなかったということです。

パンク
 ハードロックをルーツに持ち、イギリスを発祥とする音楽です。ハードロック・ヘヴィメタルに似ている印象がありますが、曲風は割とシンプルで、キャッチーな要素も少しあります。自分の心の叫びをダイレクトに表現するのが特徴です。

 そんなパンクを好む人に多い傾向が、メンヘラ。意外な感じがしますが、気持ちをストレートに表現し過ぎて、トラブってしまうからでしょうか。鬱傾向を持つ人もいて、時には破壊的行動に出ることも。そういえば、ギターを床にたたきつけるジャケ写有名ですね。

ジャズ
 アメリカ合衆国ニューオーリンズのアフリカ系住民から起こったジャンルです。決まった楽器が無く、アドリブが多いのも特徴です。言語を用いず、擬音を使って歌うスキャットというスタイルが特異な点です。

 このジャズを好むタイプに多いのが、紳士的で大人びた印象のある人。曲風自体が落ち着いた雰囲気があるので、紳士淑女向きなのでしょう。

 なので、夜精神を落ち着かせ、安眠するのに効果的とか。体内時計を夜のモードへ切り替える効果があるそうで、精神的にも安定するそうです。


 さて、どうだったでしょうか。世間一般のイメージと合致してたものもあれば、意外な結果だったものもありました。それぞれのシチュエーションに合わせて、音楽を聴き分けるのもいいかもしれません。トレーニングの時はロックを聴き、パーティーではレゲエを流し、寝る前にちょっとジャズで落ち着かせるなんてしたら、生活に変化が出るかもしれませんよ。


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2023年3月17日金曜日

世界遺産検定・2級と3級の違い

 最近私は世界遺産検定2級の試験を受けた。数年前に試しに3級と4級の試験を受けて合格したのだけれど、手前味噌ながらかなり高得点が取れたので、もしかしたら2級も取れるのではないかと思い今回挑戦した。

 正直、難しいかどうかは言及したくない。それは細かなことまで勉強していれば、どんな試験であっても合格できるものだからだ。それに難しいと言ってしまえば、自分の勉強不足の言い訳になってしまう。

 なので今回は難易度という観点ではなく、フラットな視点で前回との違いを見ていきたい。

英語の文章題

 まず大きく違ったのは、英文の問題が出題されたこと。私が3級、4級の試験を受けた時は全く出題されなかったが、今回や直近の過去問題集でも一問出題されている。世界遺産検定のHPを見たら2級に限らず、3級、4級でも出題されるようなので、これは級による違いではなく、ここ近年の傾向らしい。性質上、観光運輸産業との関連が強いため、検定保有者は外国人観光客と話す機会は多い。それを見越しての出題だろう。

 出題のし方としては、英語で書かれた説明文から当てはまる世界遺産の物件を選ぶ設問か、空欄に当てはまる英単語を選ぶ設問だ。実際のところ、英文自体が読めなくても固有名詞や数詞が入っていれば、それに該当する物件は自ずと特定できるので、正解を導き出すのはそれほど難しくない。

登録基準の番号と内容

 2級になって出題されるようになった顕著なものが、登録基準だ。屋久島は何番の登録基準が適用されているかとか、姫路城はこの番号の登録基準が適用されているが、その内容とは何かといった設問だ。どういった価値が評価され、それがどの番号の基準に当てはまるのかというところまで知っていないと、なかなか解けない。3級までなら時代背景や大まかな性質だけで対処できたが、2級になるとそこまで具体的になるので、より細かいところまで知っておく必要がある。

外国の物件からの出題範囲が拡大

 基本的に日本の世界遺産は指折り数えられるほどしかないので、出題範囲は変わらない。問題は海外の物件からの出題が増えるということだ。3級なら100件なのだが、2級になると一気に300件まで拡大する。その中には日本人には馴染みの薄い物件も大量に含まれる。

 ヨーロッパだとギリシャ・ローマ文明の遺跡やキリスト教の教会群が多いし、近年だと産業革命遺産の登録数も多い。中東・中央アジア・北アフリカだとイスラム教やキャラバンの主教施設や古代文明の都市遺跡が多い。アフリカ中南部は自然遺産、南アジアと東南アジアは仏教遺跡とインド諸王朝の建築がメインとなろう。東アジアは中国の史跡と景勝地が選ばれがちなので、ターゲットは絞りやすい。南北アメリカの自然遺産は氷河が関係する山岳地帯が多く、文化遺産はアステカ、マヤ、インカが主だ。特にマヤ遺跡の登録件数は多い。

 そしてこれらの物件は各々特徴が共通しているので、数珠繋ぎ式に覚えると簡単だし、あとは個別の特徴をつぎ足しつぎ足しで学べば、広くカバーできるので点を取りやすいだろう。

世界遺産の創設に至るまでの経緯

 3級までだったら、エジプトのナイル川にアスワンハイダム建設に伴う、ヌビア遺跡の水没がきっかけとなったことと、これによりアブシンベル神殿の移設工事や保護の活動くらいを覚えていれば解ける。

 しかし、2級となると第2次世界大戦で教訓や戦時における文化財の保護の在り方などにまつわる条約も出題される。さらに、これによって組織された団体やその後締結された条約なども出題される。加えてそれぞれの年代順も把握しておかないと解けない。

日本の世界遺産は登録までの経緯も出題

 日本の世界遺産は2023年現在文化遺産が20件、自然遺産が5件ある。裏を返せば25件しかない。なので、特徴や評価基準だけではネタが尽きてしまう。なので、登録までのすったもんだも出題される。例えば、長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産では一度登録延期勧告を受けたことで、諮問機関であるICOMOSとアドバイザー契約を結び登録名とコンセプトの変更を行ったことが出題されたことがある。

人類の進化の痕跡

 ここ近年出題されることが多いのが、人類の化石の出土地域だ。アウストラロピテクスやジャワ原人などの遺跡について触れられることがあるので、頭の片隅には置いておきたい。


 以上のようにかなり専門性の高い出題が多くなることがわかる。ただ、文化遺産に関しては歴史と時代背景と地域性をセットにして覚えれば、複数の物件をまとめて覚えられる。自然遺産は地形・資質系か生物学系かに大別できるので、その分類をした上で特徴を学べば整理しやすいだろう。

2023年3月16日木曜日

差別に関する被害者側の問題点

 ここのところ差別について度々取り沙汰されている。人種、宗教、部落、民族、ジェンダー、学歴、所得、地位、地方などそれは多種多様だ。正直多様過ぎて、こんなの全部守れる人などいないだろうし、故に全部無くせというのも無理な押し付けになるので、違うと思う。なので、いつまでも各々ポジションだけ見て要求するのは大人げないし、ある程度は不都合も分かち合わないと社会としてまとまらないと思う。

 ただ残念なことに、差別反対と唱える人の中には人の言うことに過剰に反応して、あれもダメ、これもダメと指摘し続ける人がいる。それどころか、誰も気にしてないのに差別されたと訴えたり、赤の他人の話なのに自分に向けられたと非難したりする人もいる。究極は私が差別と言ったら差別と、常軌を逸した発言をする者までいた。あまりにも主観的で、それだと何でもありの言ったもの勝ちになってしまい、倫理のかけらもないし、もはや法治国家ではなくなってしまう。

 この異常な被差別意識の裏には、何があるのだろうか?

差別の基準

 そもそも同じセリフを聞いたとしても、腹を立てる人もいれば、そうでない人もいる。なので差別されたと訴える人もいれば、冷静にやり過ごす人もいるということになる。大体、他人の心を100%読み取ることは誰にも不可能だから、発言者がどういった真意で言ったかはわからないし、それを確かめる方法もない。ゆえに差別したのかどうかなど、神様でない限り誰にも判断できないはずだ。

 つまり、誰が見ても差別だと言い切れるものはないと言え、聞き手の主観次第であるということだ。ということは、多くの場合聞き手が差別と思うか思わないかが決め手なので、聞き手であっても差別と思わない人がいることを考えると、一概に発言者の問題ではないことになる。

差別の本来の原因

 上記のことから差別の本来の原因は、受け手のほうにあることがわかる。では何が被差別意識の原因なのだろうか。それは、自分の中に触れられたくない部分があるからだ。もっと言えば、普段から自分の恥と思っている部分、疑心暗鬼になっている部分と、相手の発言内容のジャンルが被っていて、反射的に防衛機制が働いているからではないだろうか。

 つまり、発言は怒りを爆発させるトリガーで、根本の起爆剤は自分に対して羞恥心や疑心暗鬼の感情などがあり、自己肯定感を持っていないということだ。そして、そこを自分が一番見たくない触れたくないと思っていてるからこそ、過剰に反応している。

自己肯定感が無い人は他人基準

 ところで自己肯定感を持っている人にとって、基準はあくまで自分にあると思っている。生きてさえいればこの世に肉体はあり続けるのだから、それだけで自分は存在しうると思っている。実際に他人が「同性愛者は嫌いなんだ」と言ったとしても、自分自身が消えて無くなるわけではないから、自己肯定感を持っている人なら怒りを持たない。何より自分が同性愛者であっても恥ずかしいと思っていないから、「まあ、そういう思考の人もいるよね」と思うだけのことだ。

 しかし自己肯定感が無い人は自分の存在に不安感があるので、他人の評価や態度に基準を置いている。なので、他人の一挙手一投足が気になって仕方なくなる。だから他人がヨイショしてくれることを望むし、相手から拒否されたり図星を突かれたりすると、「あの人がこう言ったからムカつく」「この人がこんなことしたから許せない」といって、ヒステリックに怒りだす。場合によっては、文脈的に拒否されてなくても、特定のワードを聞いただけで反応してしまう。こうやって些細なことでも過剰に反応してしまうのだ。

自己肯定感が無い人のパターン

 では実際、自己肯定感が無い人がどういった行動パターンを取ることが多いのだろうか?

周囲にいるのはイエスマン
 自己肯定感が無い人は自分の周りにイエスマンしか置かない。自分の弱いところを突かれるのではという不安がいつも付きまとうので、怖くて仕方がないから、肯定意見しか言わない人としか付き合えない。こうやって私みたいに深層心理を深堀りし本当の自分を暴こうとする人や、自分の考えと異なっていたり間違いを指摘したりする人を遠ざけようとする。

間違いを認めない
 間違いを認めてしまうと、今までの自分さえも否定する癖が付いているので、本人にとっては決してできない。相手は間違った事柄のみを指摘しているのだが、自己肯定感が無い人は、全てにおいて「指摘=否定=自分」という図式を当てはめるので、耐えられない事態になってしまう。

0↔100思考・完璧主義
 精神が不安定な人に多い思考パターンだが、自己肯定感が無い人にもあてはまる。大抵の人は60%とか70%の及第点がとれていれば、まずまず良かったととらえるのだが、自己肯定感が無い人は取れてない部分があるからと悲観的な評価を下す。なので、一つでも上手くいかなかったことがあると、全て投げ出してしまうことが多い。

譲歩できない
 さらに問題なのが、人間関係でも完璧主義をやってしまうことだ。自分の願望が100%叶わないと気が済まないので、相手に譲歩したり妥協したりができない。結果50%50%の関係がわからず、損をしたくないからと100%自分の取り分として要求してしまう。

 しかも、願望を叶えることに盲目的になっているから周囲のことが眼中に無く、相手の取り分が0%でになっていることにも気付かないし、そのせいで相手が悲しんでいることにも気付かない。それどころかこれを指摘すると、自分の取り分を奪う酷いヤツといって罵ってくる。

シングルフォーカス
 もう一つ特徴的なのが、このシングルフォーカスだ。物事を個別に捉えてばかりで、全体を見ようとしない習性だ。例えば、相手が自分にないもを持っていたとして、それが欲しいからねだる。別の人がまだ他にないもを持っていたらねだる。また別の人を見かけたら欲するを繰り返していく。

 もちろん個別に見たら平等なのだが、全体としては自分ばかりが3つも4つも所持していて、むしろ不公平を生んでいる。だが、シングルフォーカスのために個別の事例しか見ていないから全体を見ることができず、総合的におかしいことに気付かない。

 以上のことから結果的にわがままな人という印象を与え、周りから人が去って行ってしまう。そして、一番残念なのがこれに自分が一番気付かないということだ。なので、「いつも私の周りから人がいなくなる」とぼやくことになる。

自己肯定感が無い理由

 では、なぜこんな心理状態になるのだろうか?個々の事例に関しては、本人と会って話をしないと判断できないが、考えうるパターンを列挙する。

遺伝
 身もふたもない話だが、これはかなり確率が高いパターンかと思われる。海外の性格分析の研究で、子供の性格形成に親からの遺伝の影響が平均50%を占めていることがわかった。となれば先天的に自己肯定感が無い可能性も考えうるだろう。

育て方
 育てられ方が影響している可能性もなくはないだろう。先の性格形成の研究によると、通常親の育て方の影響は0~11%という結果が出たので、この影響は軽微と見るのが妥当だが、毒親やネグレクト、虐待の場合は異なるとされているため、不健全な家庭で育った場合は考慮すべきだろう。

友達
 以外に思われるが、性格形成の研究で40%は友達の影響を受けているという結果が出た。具体的には、親しい友達5人の平均に自分の性格が近づいていくという。ということは、自己肯定感が無い友達と付き合っていると、自分も知らないうちに肯定感が無くなっていくということが考えられる。

成育環境
 自分が育った環境が影響しているかどうかだが、育て方や友達付き合いもここに含まれてしまうので、客観的に環境のみをピックアップして評価するのは難しい。余程すさんだ環境だったらあるかもしれないが、研究によるとこの点に関して欄外だった。

幸せになるには

 このように、他人が差別したから怒りを露わにしているのではなく、元々過去の人生の中で特定の思考パターンに陥り、そのせいで鬱屈としたものがあって、それを差別という形で噴出していることがわかる。では、これをどうしたらいいのだろうか。

自分を見つめることから
 これは自分の問題なので、まずは自分を見つめないと始まりません。その中には先ほども言った、恥ずかしいさや疑心暗鬼になっている心情、あとは自分の卑しいところなどの黒い部分も見る必要があります。これは非常につらいし怖いと思う。特に意地張っている人や負けず嫌いの人、正義感の強い人は、かなり抵抗感があると思う。完璧を装っている自分像とは、真逆のことを認めなけれならないからだ。

 でもそれだけ強い抵抗感があるということは、そこに大きくて未解決の問題があるということです。これを解決しなければ平行線どころかもっと軋轢が生まれ、幸せを逃すことになる。

抵抗感があるのは今の自分を守りたいから
 そしてこの黒い部分を、最初は見ないように見ないようにすると思う。それは長年かけて築き上げた自分像が壊れるのではないかという危機感が出てくるので、自分にとって怖いことで、恥を感じるから。何より見ないほうが楽だし、気分が落ち込まなくて済む。自分の不都合や失敗を認めなければ、体裁のいい自分や正常な自分、普通の自分の体でいられるから、自尊心が傷つかないで済むので。これが心理セラピーでいう利得だ。

 しかし、完璧な人などいないし、できやしない。できないことをやると無理が生じるので、確実に心身に支障が出る。その上、その場の体裁(エゴやメンツとも言うが)ばかり気にいていると、自己防衛ばかりになるので対人トラブルが増え、周りが愛想を尽かして離れていく。それが今の状態なのだ。

不完全でも悪くはないと思うこと
 そのため必要になるのが、本来の自分を認めることだ。それが不完全であってもいいのだ。それは皆も不完全だから。不完全なのは自分だけではないので、おかしなことではないし、恥じることでもなく、極々普通のことだ。

 そして、自分のことを自分が一番否定していたことに気付く。「世の中で一番の大失敗をしてるのは自分じゃないか」「人のこと言えた立場ではないじゃないか」ということが見えてくる。

羞恥心が出てくる
 これがわかってくると、急に羞恥心が襲ってくると思う。「自分はあの人になんて失礼なことをしてしまったんだろう」とか、「あの時なんでもっと冷静になれなかったんだろう」とか、「あの人は自分のことを思って言ってくれてたのに、なんで素直になれなかったんだろう」とか。

 でもこれに気付けたら、切っ掛けを掴んでいる証拠だ。自分に向き合っているということだし、失敗を認めているし、問題点が見えているので、一つ一つ改善すればいいのだ。

立場の違う人へも慮ることができるように
 そうすると、今まで自分のこと、自分の立場でしか見えていなかったものが、他の立場でも見えてくるようになりる。そうなると、一概に自分の考えが正しいわけではないことがわかってくる。

 それどころかどんなものにも良し悪し両面あることに気付き、どっちかの考えに傾倒するのではなく、バランスが大事だということがわかってくる。すると相手の発言に腹が立たなくなったり、譲歩したりすることができるようになる。しかも譲歩したことでその恩義として見返りを得ることができるようになり、良好な人間関係を築けるようになる。


注意点

 しかし、これは小手先のテクニックとしてやっただけでは、上手くいかない。これだと結果や見返りを自ら求めてしまい、欲求を見透かされるので、人から嫌われる。なので、自分を見つめ直すところからやらないと上手くいかないのである。

 それともう一つは、我流でやると失敗しやすい。よく言われることだが、自分のことは自分が一番見えていないからだ。それだけ自分で自分を見るというのは難しい。だから、専門の臨床心理士や精神科医に見てもらうのが一番だ。赤の他人はしがらみや個人的な利害関係がないから、客観的に見てもらえやすい。ただその分だけ忖度が無いので本質を突いてくる可能性はあるが、そこは耐えなければならない。その先に幸せがあるから。

 さあ、あなたはどうする?

2023年3月12日日曜日

気が付かない副業のメリット

 ここ最近、副業始める人が増えているらしい。給与が上がらないので、少しでも収入の足しにしようと始めているようだ。その種類も多種多様で、デリバリーの配達員とか、投資とか、ポスティングとか、せどりとか、まあいろいろある。

 そんな私も副業をやっているのだけど、確定申告をしてあることに気付いたので書いておきたい。それは、

自宅でできるものが得

 ということ。というのも、自宅で副業をするということは、仕事をするために家のガス、電気や通信設備などを使用するということなので、光熱費や通信費などの生活費を経費として計上できる。そしてその分を控除されるので、所得税を納めるどころか還付金をもらえるのだ。

 これが配達員やポスティングだと外回りの仕事なので、在宅していないから経費としては認められず、申告書に記載することができない。経費として申告できるのは、せいぜい仕事用に購入した自転車代くらいだろうから、それも一時的なものだ。

 これが在宅ワークだと仕事をしている限り延々生活費はかかるのだから、毎年経費として申告できるからお得である。特に近年は個人でも数多くのネットビジネスができるようになったので、在宅ワークの幅が広がった。これは非常に好都合である。イラスト制作、アフィリエイト、ユーチューバー、ライター、ティックトッカー、データ入力など、収入には開きがあるものの種類は多い。

根気との勝負

 ただ、最低でも数十万単位で収益が得られないと、経費申告しても控除の恩恵を得られないと思うので、それだったらまだ確実に報酬が手に入る配達のほうが手取りは多いかもしれない。特にコンテンツビジネスの場合は、コンテンツ数とクオリティとニーズ(または人気)が足りてないと中々稼げないので、根気や時世を読む能力が必要になろう。その代わり、当たれば化ける可能性もないとは言えない。

 そんな博打みたいなことやる勇気ないし体力もないという方は、データ入力から始めるのがいいだろう。データ入力だったらこなした分だけ報酬をいただける契約なので、単価は低いが確実に収入はある。事務作業が得意でコツコツやるのが苦にならないのなら向いているし、慣れて仕事のスピードが上がってくれば数をこなせるようになるから、報酬も増えるだろう。

 あとはライターも最初はデータ入力みたいな形で始められるし、一記事いくらという感じで報酬がもらえるので悪くはない。人気が出てくれば単価をアップしてくれるし、実力が付けばフリーライターとして独立する人もいるので、そこそこの収入になる可能性もある。

 どちらにしても、数をこなして信頼や人気を得ることが必須となるので、根気との勝負である。検討を祈る!

2023年3月11日土曜日

「許せない!」という感情の裏には

 SNSなんかでは時々見られるが、いつも同じことで誰彼構わず目くじら立てて罵っている人がいる。「あんなこと言うなんて!」とか「あの発言は許せない!」とか言ったコメントばかり繰り返していて、私は「バカらしっ!そんな暇あったら、他のことやったら?」と思ってしまうが、本人は至って大真面目だ。世のため人のためと本気で思っているので、周囲から浮いていて、反って煙たがられていることに気付いていない。

 しかも面白いのが、それだけ他人を批判する割に、自分が一番できていないということが多々ある。そのことに本人が一番気付いておらず(気付いてはいても見てみぬふりをしている)、なんとも滑稽だ。

正義感への執着

 それだけ何度も繰り返しているということは、そこに執着があるということだ。それが周囲からのひんしゅくを買うレベルであるということは、異常な執念を持つほどの強烈な執着であり、通常ではありえないことだ。そしてその執着によって引き起こされる行動が批判コメントであることから、正義感への執着であろう。

 だが、なぜこんなにも異常な正義感への執着を示すのだろうか。実際こういった異常なまでの正義感を持っている人の話を聞くと、その背後には必ずと言っていいほど過去の不幸、乃至は他者への嫉妬の話が出てくる。そこには強い劣等感やコンプレックスがあり、そこへ触れようとすると強烈な拒否反応を示す。

表出の2タイプ

 もちろん大なり小なりコンプレックスは、誰しも持っているものだ。それ自体は一般的で、何もおかしいことではない。ただ、このコンプレックスの表出のし方に、その人の内面が出てくるのだ。

 一つは相手を見返してやろうと自分を磨いて高めようとするタイプ。ナルシストなんかはこのタイプで、マウントを取ってくることもあるのでその時は鬱陶しい。

 ただ、自己成長に勤しむことでコンプレックスを解消しようとする傾向があるので、能力が高くなり社会で活躍する人も多い。何より問題点としてはマウントくらいなので、相手への実害がそこまでではない。それよりも自己の成長のために努力しているところが賞賛できる。

 もう一つが、相手を貶めるタイプだ。相手を非難することによって、相対的に自分の地位が上がったように感じて、コンプレックスからくる空虚感を埋めようとするのが、このタイプの特徴である。

 しかしよく考えてほしい。相手をいくら貶めても、相手をいくら非難しても、自分自身は成長していない。なので、コンプレックスから目を背けることにしかなっておらず、解決はしていない。解決していないから、空虚感を埋めるためにまた新たなターゲットを探さざるを得なくなってくる。

 しかもこの方法だと努力しなくてよいので、誰でも簡単にできる。簡単にできるだけに中毒性もあるから、止められなくなる。結果負のスパイラルに陥る。

不健全な自我

 こんなことをやっても永遠に何も生まないし、空虚感が埋まることが無い。それがわかってて、なぜやるのだろうか?それは不健全な自我が存在するからではないだろうか。

 不健全な自我があると自己肯定感(自信とは違うので注意)が薄いため、コンプレックスそのものを認められない。そのために目を背けるほうへ走りやすい。だから自己成長へ意識が向かず逃げてばかりの人生になるため、自信も下がり空虚感が広がるばかりだ。こんな人が相手と同等になるには、他人の足を引っ張り引きずりおろすしかない。

 でも本当は本人も気付いているかもしれない。こんなことをやっても何の役にも立たず、虚しいことを。他の手立てに切り替えられれば良いが、自信が無いので自分にはこれくらいしかできないという感覚になってしまっている。そこにはアダルトチルドレンがあるのかもしれない。

 その上、この手の人は自我が成長していないから、自分自身を小さく感じている。自我が大きければ、何か言われても芯の部分にまで到達しないので平気でいられるが、小さいとちょっとしたことでも芯に触れてしまうので大きく反応してしまう。なので過剰な防衛反応を示してしまう。

自己受容

 以上のことから批判を繰り返す行動において、他人の発言は切っ掛けに過ぎず、根本的には自分の内面にある自我が脆く、全てが敵に見えてしまっている心理状態が作り出しているのです。

 ではこの状態を止めるにはどうしたらいいでしょうか?それは今の小さな自分を受け入れることです。弱いところ、ダメなところがあるのはしょうがないと、まず割り切るのです。そもそも欠点が無い人などいないのだから、当たり前の話です。これができないと、自分のダメなところが許せなくなりコンプレックスになっていきます。結果いつも怯えていなければならなくなります。

 しかし、これが一番難しい。特に正義感への執着を持っている、脆い自我がある人にはかなりきついと言います。自分のダメなところを認めることは正義ではいられなくなることを意味し、原動力という利徳を失ってしまうから。そして、ただでさえ小さな自我が無くなってしまう感じがするから。

 でも、安心してください。また新たな健全な自我を作ればいいのです。

過去の自分を見つめ直す

 自己受容をする上で肝心なのが、過去の自分に向き合うことです。これも多くの人にとって目を背けたくなる作業ですが、昔の不遇だった出来事を見つめ、自分の中に溜まっているわだかまりが何なのかを明らかにします。そして、その原因を探ることによって、不健全な自我を作っている理由がわかります。この部分がコンプレックスの根本原因で、これを否定することが執着への原動力になっているので、長い時間かかりますが受け入れることに慣れていきます。そうすれば、こんなダメな自分でも居ていいんだと思えるようになります。

あとは小さな成功を積み上げるだけ

 ここまでくれば後は簡単です。少し頑張れば達成できそうな小さなチャレンジをすることです。大きなチャレンジでないところがポイントです。大きいと失敗したり未達成に終わったりする可能性が高くなるので、達成できない数が増えていき自信を失うからです。仮に達成できたとしても、この場合は実力ではなく運が良かっただけの可能性が高いので、一時的なもので終わるし、気が大きくなって運と実力を勘違いするのでよくありません。

 なので面倒でも小さなチャレンジを繰り返すのです。そうすると実力が身についてくるので下手な失敗はしないですし、失敗が少ない分自信も付き、健全な自我が育っていきます。

無理にポジティブ思考しない

 あと大事なのは、何でもポジティブに考えようとしないことです。何でもポジティブに考えるということは、ネガティブな出来事もポジティブにとらえようとすることです。そこに無理が生じるので、ストレスがかかります。加えて、ネガティブに考えている自分が許せなくなりますから、また自己否定が始まって元に戻ってしまいます。

 これはアメリカの研究ですが、ポジティブシンキングに向いている人は全米の内、30%くらいとの結果が出ました。ポジティブと思われがちのアメリカですら、向いている人は半分もいないのです。増してや日本人の性格を考えるとポジティブシンキング向いているのは10%いるかどうかでしょう。

 この結果から、人間はネガティブなほうが精神が安定しやすいのです。なので、ダメな自分を認めたほうが上手くいきやすいので、無理にポジティブシンキングになる必要はありません。

 あとは、実践あるのみ。幸せになりましょう。

2023年3月10日金曜日

行政と富裕層は本当に守銭奴なのか?

  税金ばかり取るくせに行政サービスが悪い、もしくは追い付いていないみたいな話を時々聞く。行政サービスが充実すれば生活が楽になるのだが、そもそもそんなに不十分なのだろうか?

多くの人が税金以上のサービスを受けている!?

 実際のところ、市民はどれだけ行政サービスを受けているのだろうか?受けた行政サービスの金額と支払った税金の比率を比べた時に、ちょうどトントンになるのは年収600万円くらいなのだそうだ。これを超えると、税額のほうが高くなって元が取れないという。

 ということは、年収600万円を下回る人は支払った額以上のサービスを受けているということだ。現時点の日本の平均所得が600万円なので、単純計算でも半数の人がこれにあたる。中央値で見たら300万円くらいと目されているので、8割くらいの人が税金以上のサービスを受け取っていることになる。

 つまり、少数の富裕層によって庶民の生活が支えられているという訳だ。

なぜ多くの庶民は知らないのか

 しかし、多くの庶民はお釣りがくるくらいサービスを受けていること知らないだろう。なぜか。一つはマスコミがあまり報じないからではないか。低単価の商売である以上、収入の多くは庶民から得ている。そのため、顧客である庶民に都合の悪い情報は、客離れを引き起こす可能性があり報道しにくい。行政を叩く大義名分も薄れてしまうため、見てみぬふりをするだろう。

 二つ目に政治家の問題もあろう。我が国は民主主義を採っているため、選挙制度がある。投票によって議員が決まる訳だが、庶民の受けが悪い情報は得票数に影響するので、声のボリュームを下げざるを得ない。特に大衆迎合主義の議員や政党には、都合が悪いだろう。

庶民への迎合の末路

 このまま庶民へ迎合して未来は良くなるのだろうか。言われるがままに行政サービスを拡充すれば、当然税収が足りなくなる。もうすでに我が国は多くの借金を抱えている。地方債だけでも合計約200兆円あり、国債に至っては約1000兆円にも達する。合計で約1,200兆円もの借金を抱えているのに、どうやって拡充しろというのだ。

 MMT側の人は、債券の多くは日本国民が買っているのだから、外国へ流出していないので社会は回ると主張しているが、これに反して夕張市はデフォルトを起こし、多くの行政サービスの停止に追い込まれてしまった。皮肉なことに、MMTでは回らないことを夕張市が証明してしまった。

緊縮財政への覚悟

 夕張市が財政破綻した最大の原因は人口減少だ。そしてこれは、日本全体でも起こっている。

 さらに、過度の大衆迎合で財政破綻しかけたギリシャも大きな問題となった。一度緊縮財政を敷いたものの、国民の反発から緩和政策を唱える政権が樹立されたが、ドイツからの鶴の一声によって結局緊縮財政に戻さざるを得なくなった。

 上記の事例を見てわかる通り、大衆は将来のことなど考えてもいないのだ。今しか見ていない者の話など聞いていても、将来の行政の在り方など見えてこない。本音では自分の懐が痛まずにサービスを受けたいのだから、人間の欲とは果てしないものだ。でも、それでは採算が合わないので破綻するのは確実だ。

 どうしても存続を図るなら、サービスの拡大ではなく少しずつ緊縮していき、慣れていくことを覚悟しなければならない。

2023年3月8日水曜日

富裕層が増えると、庶民が生活が楽になる!?

 時々収入の格差が問題として取り上げられることがある。特定の人ばかりが得して良くないとか、庶民の生活が一向に良くならないとか言われる。だから、みな平等がいいと言っている人が世の中にはいる。マスコミのステレオタイプな報道を鵜呑みにするのは客観性に欠けるので、シミュレーションしてみよう。

均等な報酬の末路

 仮に収入格差を無くしたとしよう。国民全員収入が同額です。どうなるか?これは既に10カ国以上で試みてみた。そう、共産主義国だ。ソ連を筆頭に東ドイツやユーゴスラビアなどの東ヨーロッパ諸国や、中国、ベトナム、北朝鮮などの東アジア諸国、あとはキューバなんかがそうだ。

 全員同額の賃金で同じ分量だけ生活必需品や食料を配給される。実に公平であると言いたいところだが、実際は違った。このやり方では個人の評価がなされないので、他の人より頑張っても収入は一緒だし、どんなに勉強して高い能力を身に着けたとしても配給は変わらない。そのため本人の感覚としては、本来自分が得るはずだった報酬が他人に吸い取られている格好になるので、損な気分になる。損になることは誰もしたがらないので、みんな手を抜くようになる。結果、生産性が落ち、国民総貧乏の状態に陥り、国家は破綻した。

 東ヨーロッパ諸国はみな共産主義体制を止めてしまったし、中国やベトナムはそうなることを察して資本主義制度導入に大きく舵を切った。共産主義体制を未だに続けているのは、北朝鮮とキューバくらいだが、世界の最貧国レベルにまで衰退し、お世辞にも上手くいっているとは言えない状況だ。みな平等を進めるということは、国民全員を貧乏にさせるということだ。これは誰もが反発するだろう。

みな平等の真意

 結局のところ、みな平等がいいと言っている人は、「隣の芝生は青く見える」だけだ。富裕層をみて相対的な貧困を感じ、不平等に見えているだけで、そのバックボーンが見えていない。富裕層は多額のお金を得るために人よりも勉強しているし、多くのリスクも冒している(資産家の家に生まれただけの人もいるが)。その見返りとして多額の報酬があるのだが、金額だけ見ているので全体としての公平さが考慮されていないのだ。つまり、富裕層に対する嫉妬である。

富裕層は独占しているのか?

 富裕層は富を独占しているという話も聞くが果たしてそうだろうか?欧米の富裕層に多いのが寄付だ。キリスト教文化では寄付の習慣がある。日本もそうだが、先進国では寄付をすると税制優遇される国が多いので、欧米の富裕層は税金対策としてする人も多い。ゲイツ&メリンダ財団なんかはその最たるものだ。結果として大きなお金が貧困層へと配られるので、救われる人の数は計り知れない。

累進課税によって成り立つ行政

 さらに日本には累進課税制度がある。収入額によって税率を変える制度だ。その税率は以下の表の通りだ。

課税される所得金額 税率 控除額
1,000円~194万9,000円 5% 0円
195万円~329万9,000円 10% 9万7,500円
330万円~694万9,000円 20% 42万7,500円
695万円~899万9,000円 23% 63万6,000円
900万円~1,799万9,000円 33% 153万6,000円
1,800万円~3,999万9,000円 40% 279万6,000円
4,000万円以上 45% 479万6,000円

 下は5%から上は45%までとかなり開きがある。ということは富裕層が増えれば増えるほど、税率が高い分税収が増えることになる。そして現在税収の多くが社会保障費に充てられているので、相対的にこの費用も増えることになる。結果、年金、健康保険、生活保護の額や範囲を広げられるので、実は富裕層が増えたほうが庶民の暮らしに余裕ができるのだ。

 一応貧富の差を無くした場合のことも言っておくが、今の所得の中央値が195万円~329万9,000円のクラスになると思われるので、税率は全員10%ということになる。それより上のクラスがごっそりいなくなるのだから、税収が減るのは明らかだ。

まとめ

 格差が無いのは理想ではあるが、平等にすると総量が減るので、一人当たりの分け前も減り全員貧乏になる。むしろ貧富の差があったほうが貧困層へ回ってくるお金も増えるので、得るものが大きい。なので富裕層をいかに増やすかが、貧困救済へのカギではなかろうか。

非難され続ける理由は、ダブルスタンダードを止めないから

 昨今、LGBT関連の報道や記事を目にする機会が増えた。そのなかで、LGBTへの非難が止まないことが問題視されている。非難の内容は様々だと思うのだが、LGBT側は一括りに差別と言って反論している。感情的になっているせいか、冷静かつ個別に見ることができなくなっている様に、同類として残念でならない。何より多様性を叫びながら、LGBT自身が多様な対応ができていないことに矛盾していて、自分が見えておらず、人間の欲の深さと愚かさが垣間見えてしまう。

 もちろん心無いことを言う人もいるが、それはごく一部の人で、ほとんどは好意的か無関心な方であろう。そして、多くの方はLGBTに対して何らかの配慮してくれているのではなかろうか。

 非難する人の中にも、人権や防犯、公平性や法の下の平等など社会的な側面から客観的に述べている方も大勢いるし、我々LGBT側に気づきを与えてくれる方もいよう。そういった理性を持って考えている方まで差別扱いしたら、賛同者が離れるどころか反感を買うのは当然である。

 私の感覚ではあるが、社会に溶け込めていて割と上手くやっているLGBTの方は、理性的で礼儀正しく、謙虚で向上心がある方が多いような気がする。当然、人当たりがいいので好感持てるから人が集まってくるし、良くしてあげたくなるので黙っていても周囲から気遣ってもらえ、差別なく幸せに暮らせる。

 反対に、いわゆる運動家と呼ばれる方やSNSなどで正義中毒となっている方(私は差別警察と呼んでいる)は、私が接した限り感情的で言葉遣いが悪く、横柄で頑固で無礼な人が多かった。自分が傷ついたことには激しく非難する癖に、自ら他人を傷つけていることには無頓着で、酷い場合自分の都合が悪かったり、責任が及びそうになったりすると平気で人を切り捨てる、損得勘定でしか判断できない無責任な人物も何人かいた。これで理解してくれと言われても、多くの方は理解したくなくなるであろう。しかし、そのことがわからないので、また攻撃して嫌われるを繰り返す。

 そもそも理解とは押し付けるものではないし、押し付けたところで相手がその気になってくれない限り理解してもらえない。なのにわざわざ嫌われる状況を作っておいて理解してもらおうとしても、拒まれるのは当たり前で自業自得である。このダブルスタンダードを止めない限り、LGBTへの非難が無くなることはないだろう。そして、残念ながらその日は来ない気がする。

2023年3月4日土曜日

荒井元秘書官の発言について思うこと

 荒井元秘書官の発言が物議を起こしている。LGBTの人達(一部だけかもしれないが・・・)の非難がヒートアップしていて、自民党が火消しを図らんと理解増進法案を提出する動きになっている。火消しのために法案提出するというのは本末転倒だと思うので、私は賛同いたしかねるし、焦って作ってもいいものはできないので、頭を冷ました上でしっかりと時間をかけて練り上げて欲しいと思うのだが。

 実は先の荒井元秘書官の発言に関しては、私自身はあまり不快には思わなかった。私は性別適合手術をし、戸籍変更までしたトランスジェンダーなので思いっきりLGBT側なのだが、荒井氏の発言はそもそも、「これも恋愛対象の話だから、そりゃあ、そういう趣向の人もいるでしょ」という話でしかない。「見るのも嫌だ」とも言ったそうだが、それも誰だって見たくもない物はあるのだから、人のことを言えた立場ではない。荒井氏の場合、それがたまたまLGBTだったというだけだし、「存在してはいけない」とは言っていないので、それ以上の意味はない。

 それを「自分の存在を全否定された」と取るのは、言ってもないことをさも言ったかのように発言する虚偽に他ならない。加えて個人的な解釈や憶測など不確かな要素持って話をするのは机上の空論でしかないし、客観的事実ではないのでそれを持って相手を非難するのも決めつけ・レッテル貼りでしかない。その点ではLGBT側も社会人としてのマナーが無いし、そこまで行くと言いがかりがでしかないので、倫理の観点からやっていいことではない。

 元来、存在とは自分が認めるもので、他人に認めてもらうものではない。他人が何を言おうとも、生まれた以上は存在しているわけで、その事実は変えようがない。なので、他人が何を言ったかなんて関係ない話で、「自分の存在を全否定された」と捉えることは論理の飛躍でしかない。そしてそこに他人へ依存していて精神的に自立と自律ができていない様子がうかがえ、健全な自我が形成されておらず、幼さを感じる。

 大体、LGBTだから正しいことを言っているという、所属グループを善悪の判断基準にしていることが、おかしいことにいい加減気付かないのだろうか。私の知人のLGBT運動家K氏はこんなことを言っていた。

「気持ちが全て。私が思ったものは、全部正しい」

 あまりの独善的かつ他責思考に極端なわがままさと無責任さが見え、人としての品性の無さに幻滅した。「人には言っていいことと悪いことがある」と本人が常々言っておきながら、それはLGBTにも言えることだというモラルはこの人にはないらしい。

 以前、私が医師の診断についてツイートした際に、「医者は患者の望み通り、その場で診断書をかけばそれでいい。検査なんて必要ない」と医者でもないのに豪語していたし、「それが誤診だったらどうするのか」「体まで変えた後だったら取り返しがつかないので、医師の責任だって発生する」と私が言うと、「誤診があっても構わない。医者の責任なんて関係ない」などと言っていた。余りにも医師の人権を無視した発言だ。しかし、所属グループを判断基準にすると、これも正しいことになる。

 実際には、多くの人は「自分の言うことは全て正しい」なんて言う人に賛同はしないし、主観的な人は好まれないし、自分は大事にされたいが他人は粗末に扱う人に好感を抱かない。そこにLGBTかどうかは関係ない。一人の人間として理性的かどうかが問われている。にもかかわらず、その己の素行の悪さに対する指摘まで差別だと言って責任を擦り付けてる様では、LGBTへの反感が増すばかりでいつまで経っても溝は埋まらない。

 今回法律が制定されようとしているが、そもそもモラルにかかわることなので一方にだけ要求するのはフェアでない。双方が守って初めて社会と法の下の平等が成り立つのだから、LGBT側にも規定を設けないと不公平が生じる。今の状況を見ているとLGBTばかりが要求を100%叶えようとしていて、リスクの分かち合いの姿勢が見られない。これではただの依怙贔屓だと言われるのは当然である。LGBTにも善悪の判断ができない人や被害妄想をする人がいるのだから、双方に適用されないと意味がないし、お互いに譲り合わないと話はまとまらない。お互い大人の視点で見れるようになってもらいたいものだ。

2023年3月3日金曜日

どうせ国民年金払うなら、付加年金もつけよう!

  年金の話で、昭和50年代以降の生まれの場合、納めた額よりも給付額のほうが少なくなるという試算が一時期話題になったことがある。正直、赤字ということになるので、投資の観点から言ってやらないほうがいい投資案件である。

 とはいえ、なんとなくもしくは少ないながらももらえるからと納めている人もいることだろう。ならば、国民年金で唯一と言っていいほど、元が取れる可能性が大のものがある。それは、「付加年金」だ。

付加年金とは

 付加年金というのは、月額400円プラスして支払うだけで、受給年齢に達した時に支払った年数×200円毎月死ぬまで支給される制度である。支給開始から2年以上生存できれば、付加年金分に限って元を取れることになる。仮に4年間支払ったとしたら、

【納入時】 4(年)×12(ヵ月)×400(円)=19200(円:総納入額)
【受給時】 4(年)×200(円)=800(円:毎月の付加支給額)

 19200(円)÷800(円)÷12(ヵ月)=2(年)

という計算なので、2年生きれば回収できるのだ。

 しかも、3年目以降も同額が支給されるからお得である。納入月額400円と少額で負担が少なく、尚且つ金額も一定でわかりやすいので、始めやすいのではないだろうか。どうせ年金を納めるなら、一緒に加入したほうが採算を合わせやすいので、検討してみてはいかがだろうか。

2023年3月2日木曜日

資格検定はわかりやすい能力指標

 なかなか他人が、相手の能力を見極めるのは難しい。ましてや初めて会った人が測るのは、至難の業でしょう。それは目に見えないから。学歴がよく人柄も悪くないと思ったけれど、いざ雇ってみたらスキルがないとかよくある話だと思います。

 そんな中で大なり小なり能力を可視化することができるのが、資格・検定ではないでしょうか。特にLGBTや障害者の場合、就職で不利になりやすいので、この差を埋める手段が欲しいものです。そこで、資格・検定のメリットをまとめてみます。

選考の段階で一定の能力を証明できる

 まず職場において資格・検定というのは、自分のためというより会社側が従業員の能力を把握するためにあります。というのも、試験は全員一定の基準内で行われるので、合格すればそこまでの専門知識と能力があると客観的に確認されたことになるからです。

 なので職場によっては従業員のスキルアップを図るために、資格手当を設けていたり、資格取得のためのサポートをしてくれたりする会社もあります。

 さらに、資格や検定を持っていることで、即戦力として期待されます。特に転職市場や中小企業では、人材育成に時間をかけていられなかったり、ノウハウを持っていなかったりするので、即戦力を求められることが多いです。そういった点でも資格はわかりやすいアピールポイントになるので、就職に結びつきやすくなります。

収入UPが期待できる

 前項でも触れましたが、資格手当をもらえれば収入がアップします。そうでなくても、資格を持っている分、給与査定で評価されてベースアップされることもあります。さらに資格がないと出来ない仕事もあるので、そういった仕事は独占市場となり、概ね基本給が高くなります。有資格者数にもよりますが、レアな資格であればあるほど給与の大幅アップが見込まれます。

 ただし、検定はあるものの資格が無くてもできる職種の場合は、給与に反映されないこともあります。その場合は、実際の業務で成果を上げるしかないでしょう。

希少価値が高い→欲しい人材

 資格や検定を得るには、試験に合格しなければなりません。それが叶う人は、全人口から見たらほんの一握りであることも少なくありません。なので資格保有者は希少価値が高く、企業からしたら喉から手が出るほど欲しい人材です。

 しかも企業にとって人材育成は永遠の課題で、最もコストがかかる業務の一つです。研修費用もかかりますし、新人が一人前になる間も給与を払い続けなくてはなりません。しかし、資格や検定を持っていればその分の教育をしなくて済むので、手当てを払ったとしてもコストは安く済みます。なので、企業に安上りな美味しい人材として売り込むこともできます。

 もっと言えば、運よく就職できた場合、次にまた同じ資格を持っている人材を獲得できる保証はないので、企業は手放したがりません。そのため、待遇を良くする必要が出てくるため、自分にとって有利になります。つまり、売り手市場です。


 という訳で、資格を持っていることで就職しやすくなりますし、スカウトを集めることもできます。仮にマイノリティであったり、障害による人事コストがあったとしても、会社側にも見返りが期待できるので、メリット・デメリットが相殺されるのに一役買いますから、マジョリティと対等になることができます。なので、マイノリティの方は資格取得を目指すのがおススメです。